魅力あふれる「タツ・マゴ」作品 その2
- 2014/11/01
- 10:05
■ 『ブロッカー軍団Ⅳ マシーンブラスター』①
今でも覚えていますが、最初『ブロッカー軍団Ⅳ マシーンブラスター』の放送を観た時、これは何故、製作会社がタツノコプロではないのだろうかと不思議に思いました。しかも、当時は名作劇場などで知られた日本アニメーションだったのです。
確か新聞のテレビ欄に載った新番組紹介記事で知ったと思うのですが、日本アニメが手掛ける巨大ロボットアニメですから、一体どんな作品なのか、期待と興味が半々でテレビの前に座りました。
ちょうどその三ヶ月前の4月には、『サザエさん』のエイケンが製作したロボットアニメ『UFO戦士 ダイアポロン』がTBS系で始まっていました。
こちらは芦田豊雄さんのキャラクターデザインでしたので、エイケン調というよりも『宇宙戦艦ヤマト』のキャラに近い感じがしました。ただ美術は、東映動画系でもタツノコや東京ムービー調でもない、派手ではないけど色彩の鮮やかな背景が印象的でした。
実際に見ていくと、どう考えてもこれまで親しんできたタツノコ風なのです。『フランダースの犬』や『母をたずねて三千里』などの日本アニメ調ではありませんでした。
作風の違いには、驚くばかりでした。実際のオープニング、エンディングのテロップに出ていたスタッフ名は、総監督は案納正美さん、キャラクターデザインは高橋資祐さん、美術監督は新井寅雄さん、作画監督には田中保さんと、これまでタツノコ作品で見てきた馴染みのあるお名前ばかりでした。
しかも後に分かったのですが、原作の八田朗とは、山本優さんのペンネームですし、メカニックデザインの七戸洋之助とは、大河原邦男さんのペンネームでした。結局のところ、メインスタッフはすべてタツノコ作品の出身者で固められていたのですから、当時の子どもなら誰でもこれはタツノコ作品だと思ったことでしょう。
原作も存在しない、アニメのオリジナル作品です。この企画からストーリーを立ち上げたのが、山本優さんでした。アウトローの主人公などは、山本さんが後に手掛ける「J9シリーズ」などにも通じるようです。
声優も、主人公の飛鳥天平の安原義人さんは、『てんとう虫のうた』の火児や『ゴワッパー5ゴーダム』の津波豪で、タツノコ作品に出演していましたし、敵側のヘルクイーンに率いられたモグール帝国の雰囲気は、『新造人間キャシャーン』のアンドロ軍団にも似ていました。なんとなく、タツノコプロが正統派の巨大ロボットアニメを作るとこうなるのか、という感じすらしました(タツノコが製作した『ゴワッパー5ゴーダム』のゴーダムは、当初動く巨大基地のイメージがありました)。
これは、実際に制作した葦プロの創業者である佐藤俊彦さんが、タツノコプロの営業のご出身だったことも大きかったでしょう。独立した際、かつての同僚達に声を掛けたのもあり、このようなスタッフ布陣になったようです。(つづく)
今でも覚えていますが、最初『ブロッカー軍団Ⅳ マシーンブラスター』の放送を観た時、これは何故、製作会社がタツノコプロではないのだろうかと不思議に思いました。しかも、当時は名作劇場などで知られた日本アニメーションだったのです。
確か新聞のテレビ欄に載った新番組紹介記事で知ったと思うのですが、日本アニメが手掛ける巨大ロボットアニメですから、一体どんな作品なのか、期待と興味が半々でテレビの前に座りました。
ちょうどその三ヶ月前の4月には、『サザエさん』のエイケンが製作したロボットアニメ『UFO戦士 ダイアポロン』がTBS系で始まっていました。
こちらは芦田豊雄さんのキャラクターデザインでしたので、エイケン調というよりも『宇宙戦艦ヤマト』のキャラに近い感じがしました。ただ美術は、東映動画系でもタツノコや東京ムービー調でもない、派手ではないけど色彩の鮮やかな背景が印象的でした。
実際に見ていくと、どう考えてもこれまで親しんできたタツノコ風なのです。『フランダースの犬』や『母をたずねて三千里』などの日本アニメ調ではありませんでした。
作風の違いには、驚くばかりでした。実際のオープニング、エンディングのテロップに出ていたスタッフ名は、総監督は案納正美さん、キャラクターデザインは高橋資祐さん、美術監督は新井寅雄さん、作画監督には田中保さんと、これまでタツノコ作品で見てきた馴染みのあるお名前ばかりでした。
しかも後に分かったのですが、原作の八田朗とは、山本優さんのペンネームですし、メカニックデザインの七戸洋之助とは、大河原邦男さんのペンネームでした。結局のところ、メインスタッフはすべてタツノコ作品の出身者で固められていたのですから、当時の子どもなら誰でもこれはタツノコ作品だと思ったことでしょう。
原作も存在しない、アニメのオリジナル作品です。この企画からストーリーを立ち上げたのが、山本優さんでした。アウトローの主人公などは、山本さんが後に手掛ける「J9シリーズ」などにも通じるようです。
声優も、主人公の飛鳥天平の安原義人さんは、『てんとう虫のうた』の火児や『ゴワッパー5ゴーダム』の津波豪で、タツノコ作品に出演していましたし、敵側のヘルクイーンに率いられたモグール帝国の雰囲気は、『新造人間キャシャーン』のアンドロ軍団にも似ていました。なんとなく、タツノコプロが正統派の巨大ロボットアニメを作るとこうなるのか、という感じすらしました(タツノコが製作した『ゴワッパー5ゴーダム』のゴーダムは、当初動く巨大基地のイメージがありました)。
これは、実際に制作した葦プロの創業者である佐藤俊彦さんが、タツノコプロの営業のご出身だったことも大きかったでしょう。独立した際、かつての同僚達に声を掛けたのもあり、このようなスタッフ布陣になったようです。(つづく)
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
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