アニメの制作では、セル画や原動画でおなじみになっている上部に開いたタップの穴。
そんなタップの穴ですが、古くからのアニメファンの中には、左右の長方形のタップ穴の形状が今と違い以前は完全な四角形だったことをご存知の方も多いでしょう。
左右のタップ穴が長方形になっている動画用紙は、テレビアニメでもそのスタートから、10年以上は使用され続けていました。
私の見てきた中では、東映動画の1970年代の後半までの作品は、この長方形タップ穴の動画用紙に作画されています。
確認した中でも、『マジンガーZ』や『鋼鉄ジーグ』、TV『銀河鉄道999』くらいの作品までは、原画や動画にはこの長方形のタップ穴の動画用紙がありました。
そもそもは穴の開いていない用紙を、東映動画は長年購入していたのでしょう。そして、制作担当がそれぞれ穴開け機でタップ穴を入れて、アニメーターに配布していたのです。上記の作品の頃までは、古いタップ穴開け機が稼動していたと考えられます。
また、劇場版や、カメラワークの都合上かなり大きな紙に描かれた原画などの用紙のタップでは、それ以降の作品でも見ることができました。
ただ、セルでは、この時代の作品になるとかなりの大判のもの以外は、四角のタップ穴のものは見ることはありませんでした。
では、左右が四角で長方形であったタップ穴が、どうして現在のような丸いエッジの長方形の形になったのでしょうか。
このことについて興味深いエピソードを、TCJ(現エイケン)で長年制作に携わってこられた
鷺巣政安さんが思い出してくれました。(つづく)
東映動画 『鋼鉄ジーグ』司馬宙の動画。
左右のタップ穴が完全な長方形型です。
四角とエッジの丸くなったタップ穴の比較です。
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