待望の『鎌倉ものがたり』35巻が発売
- 2019/09/01
- 10:12
西岸良平さんの『鎌倉ものがたり』(双葉社刊)35巻が発売になりました。『ビッグコミック』長期連載中の『三丁目の夕日』と並ぶ、西岸さんの代表作です。
連載開始から誕生35周年を迎え、35巻ということで、ファンにとっても記念すべき新刊となりました。
以前は『週刊漫画アクション』の連載で刊行ペースも早かったのですが、ここ数年は掲載誌を『月刊まんがタウン』に移したことで、だいたい年に1回ペースの新刊となっています。
前巻の発売は2017年の夏でしたので、昨年夏の刊行はお休みでした。連載時のページ数も減らされているようで、西岸さんのご体調がすぐれないのか少々心配しておりました。2年ぶりの新刊で、安心したファンも多いと思います。
オビには、シリーズ累計1,100万部突破とありますから、単純に見積もっても35巻を揃えている読者は31万人はいる計算になります。それだけ、多くの読者を持つ人気シリーズなのです。
ここのところ前編後編の二部作や、三部作もありますが、いつも読みきりのエピソードの連続ですから、新たな物語を紡ぎ出す作者のご苦労も大変なことだと思います。
今回も、一色先生と亜紀子さんを中心に、ちょっと不思議で怖い要素ありハートが温まる話ありと、バラエティに富んだエピソード揃いで、いつもの『鎌倉ものがたり』の世界を、堪能させていただきました。
巻頭は、おなじみ猫王さんがメインとなる第352話「肉球のちぎり」です。前巻で猫王さん最愛の妻みどりさんの寿命がそろそろ、と不安になっていた方も多かったと思いますが、ついに別れの時が来てしまいます。
ただ作者の西岸さんは、優しくも味な再会を用意してくれ、ほっとしました。
また、第355話「カシミヤコートの謎」では、亜紀子さんが納戸で見つけたカシミヤコートから、物語は始まります。一色先生の祖父である一色信夫博士と亜紀子さんの時空を越えた縁など、『鎌倉ものがたり』らしいちょっと不思議なのに心温まるエピソードでした。
第357話「蛙のプリンセス」も、新たなキャラクターの登場で楽しめました。誰がカエルのプリンスにキスをしたのか、最期までミステリー仕立ての展開も見事なエピソードです。
そのほかにも、おなじみのタヌキの刑事、狸山ポン吉くんの活躍が描かれる第358話「狸山ポン吉捜査日記」や、以前出てきた人間を食べる妖怪自動車が魔界の教習所の車になっている第359話「恐怖の自動車教習所魔界」など、昔からの読者にはうれしいエピソードも満載でした。
こうして、35年間も新作を読ませていただけるのは、ありがたいことです。読む側も作品と共に歳月を重ねてきました。読者それぞれに、様々な思い出も重なると思います。どうか西岸さんにはお身体を大事にしていただき、これからも新作をお願いできればと思っています。
今回も、一冊まるごと楽しめる素敵な作品を執筆していただいた、西岸良平さんに感謝です。

35巻の表紙は、読者にはおなじみの猫王さんがフューチャーされました。
今回は、猫王さんのエピソードも多く、西岸さんもお気に入りのキャラクターということが分かるようです。
連載開始から誕生35周年を迎え、35巻ということで、ファンにとっても記念すべき新刊となりました。
以前は『週刊漫画アクション』の連載で刊行ペースも早かったのですが、ここ数年は掲載誌を『月刊まんがタウン』に移したことで、だいたい年に1回ペースの新刊となっています。
前巻の発売は2017年の夏でしたので、昨年夏の刊行はお休みでした。連載時のページ数も減らされているようで、西岸さんのご体調がすぐれないのか少々心配しておりました。2年ぶりの新刊で、安心したファンも多いと思います。
オビには、シリーズ累計1,100万部突破とありますから、単純に見積もっても35巻を揃えている読者は31万人はいる計算になります。それだけ、多くの読者を持つ人気シリーズなのです。
ここのところ前編後編の二部作や、三部作もありますが、いつも読みきりのエピソードの連続ですから、新たな物語を紡ぎ出す作者のご苦労も大変なことだと思います。
今回も、一色先生と亜紀子さんを中心に、ちょっと不思議で怖い要素ありハートが温まる話ありと、バラエティに富んだエピソード揃いで、いつもの『鎌倉ものがたり』の世界を、堪能させていただきました。
巻頭は、おなじみ猫王さんがメインとなる第352話「肉球のちぎり」です。前巻で猫王さん最愛の妻みどりさんの寿命がそろそろ、と不安になっていた方も多かったと思いますが、ついに別れの時が来てしまいます。
ただ作者の西岸さんは、優しくも味な再会を用意してくれ、ほっとしました。
また、第355話「カシミヤコートの謎」では、亜紀子さんが納戸で見つけたカシミヤコートから、物語は始まります。一色先生の祖父である一色信夫博士と亜紀子さんの時空を越えた縁など、『鎌倉ものがたり』らしいちょっと不思議なのに心温まるエピソードでした。
第357話「蛙のプリンセス」も、新たなキャラクターの登場で楽しめました。誰がカエルのプリンスにキスをしたのか、最期までミステリー仕立ての展開も見事なエピソードです。
そのほかにも、おなじみのタヌキの刑事、狸山ポン吉くんの活躍が描かれる第358話「狸山ポン吉捜査日記」や、以前出てきた人間を食べる妖怪自動車が魔界の教習所の車になっている第359話「恐怖の自動車教習所魔界」など、昔からの読者にはうれしいエピソードも満載でした。
こうして、35年間も新作を読ませていただけるのは、ありがたいことです。読む側も作品と共に歳月を重ねてきました。読者それぞれに、様々な思い出も重なると思います。どうか西岸さんにはお身体を大事にしていただき、これからも新作をお願いできればと思っています。
今回も、一冊まるごと楽しめる素敵な作品を執筆していただいた、西岸良平さんに感謝です。

35巻の表紙は、読者にはおなじみの猫王さんがフューチャーされました。
今回は、猫王さんのエピソードも多く、西岸さんもお気に入りのキャラクターということが分かるようです。
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