『藤子スタジオアシスタント日記』 3冊目「ドラえもんたちとの思い出編」
- 2019/09/21
- 10:57
藤子・F・不二雄さんの初代専属アシスタント的存在であり、『まいっちんぐマチコ先生』の著者でもあるえびはら武司さんの『藤子スタジオアシスタント日記 』の新刊が昨年12月に出ていました。
シリーズ3冊目になる今回は『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 ドラえもんたちとの思い出編』と題し、『ドラえもん』の創作秘話を明かしてくれています。
ほかにも『みきおとミキオ』、『ウメ星デンカ』そして『キテレツ大百科』など、おなじみの作品についても、藤本さんの身近で見聞きしたエピソードがマンガで紹介されます。
『ドラえもん』誕生のきっかけとなったSF作品や、単行本化当時の話。最初の日本テレビ版アニメシリーズへの藤本さんの忸怩たる思い。また、ドラえもんの体のタテ線の貢献者など、盛りだくさんです。
一番ショックを受けたのは、『ドラえもん』がまださほど人気のなかった時代に、藤本先生がおっしゃっていた口癖「もっと世間に評価されてもいいのになー」です。
私も学年誌時代、毎月連載を楽しみにしていましたが、ファンレターなどは出しても迷惑になるだけだろうと思って出すことはありませんでした。
今回『ドラえもん』も最初のテレビアニメの不振などで終了の危機を迎えていたと知り、拙くても出していれば応援になったかと思うと、ただただ連載を楽しみに読む読者だったことが、申し訳なく思えました。
そんな逆境の中で、藤本さんが執筆を続けてくださったからこそ、『ドラえもん』は今でも多くの世代に愛されているのです。身近で先生を励まし続けてくれた、えびはらさんにも感謝です。
それ以外でも、藤子スタジオのアシスタントにそれぞれの作品を描かせるためにお二人が創刊された『Q』のエピソードや、それに掲載されていた『マチコ先生』のプロトタイプの作品。その作品が出たあとに発表された『エスパー魔美』との関連性。そしてロングシリーズとなったテレビアニメ版『キテレツ大百科』についての藤本さんの感想などなど。
また、藤子不二雄Aこと、安孫子素雄さんのエピソードも描かれています。『ブラック商会変奇郎』や『さすらいくん』の誕生秘話や『喪黒福次郎の仕事』のお手伝いの話など、こぼれ話もたくさんです。
あとがきには、『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道』はこの3冊目で終わろうと思うとありました。
ただ巻末のおまけマンガには、ちゃんと藤本さんと安孫子さんが揃って登場し、えびはらさんと会話をされています。たとえマンガの中でも、藤本さんがお元気な姿を見せていただけるのはうれしいことです。
これからも、えびはらさんが接してきた藤本さんの姿を描いていただけたら、と思っています。
えびはら武司著『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 名作秘話編』(竹書房刊)
シリーズ3冊目になる今回は『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 ドラえもんたちとの思い出編』と題し、『ドラえもん』の創作秘話を明かしてくれています。
ほかにも『みきおとミキオ』、『ウメ星デンカ』そして『キテレツ大百科』など、おなじみの作品についても、藤本さんの身近で見聞きしたエピソードがマンガで紹介されます。
『ドラえもん』誕生のきっかけとなったSF作品や、単行本化当時の話。最初の日本テレビ版アニメシリーズへの藤本さんの忸怩たる思い。また、ドラえもんの体のタテ線の貢献者など、盛りだくさんです。
一番ショックを受けたのは、『ドラえもん』がまださほど人気のなかった時代に、藤本先生がおっしゃっていた口癖「もっと世間に評価されてもいいのになー」です。
私も学年誌時代、毎月連載を楽しみにしていましたが、ファンレターなどは出しても迷惑になるだけだろうと思って出すことはありませんでした。
今回『ドラえもん』も最初のテレビアニメの不振などで終了の危機を迎えていたと知り、拙くても出していれば応援になったかと思うと、ただただ連載を楽しみに読む読者だったことが、申し訳なく思えました。
そんな逆境の中で、藤本さんが執筆を続けてくださったからこそ、『ドラえもん』は今でも多くの世代に愛されているのです。身近で先生を励まし続けてくれた、えびはらさんにも感謝です。
それ以外でも、藤子スタジオのアシスタントにそれぞれの作品を描かせるためにお二人が創刊された『Q』のエピソードや、それに掲載されていた『マチコ先生』のプロトタイプの作品。その作品が出たあとに発表された『エスパー魔美』との関連性。そしてロングシリーズとなったテレビアニメ版『キテレツ大百科』についての藤本さんの感想などなど。
また、藤子不二雄Aこと、安孫子素雄さんのエピソードも描かれています。『ブラック商会変奇郎』や『さすらいくん』の誕生秘話や『喪黒福次郎の仕事』のお手伝いの話など、こぼれ話もたくさんです。
あとがきには、『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道』はこの3冊目で終わろうと思うとありました。
ただ巻末のおまけマンガには、ちゃんと藤本さんと安孫子さんが揃って登場し、えびはらさんと会話をされています。たとえマンガの中でも、藤本さんがお元気な姿を見せていただけるのはうれしいことです。
これからも、えびはらさんが接してきた藤本さんの姿を描いていただけたら、と思っています。

えびはら武司著『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 名作秘話編』(竹書房刊)
- 関連記事
-
- 『三丁目の夕日』66巻発売
- 「オバケのQ太郎」特集の『まんだらけZENBU』95号
- 『藤子スタジオアシスタント日記』 3冊目「ドラえもんたちとの思い出編」
- 小林七郎さんの画集『アニメ美術から学ぶ《絵の心》』
- 平成のテレビの変遷史『テレビが映し出した平成という時代』