『ベルサイユのばら』 祝 放映40周年
- 2019/10/26
- 09:19
1979年(昭和54年)10月10日水曜夜7時から、日本テレビ系で『ベルサイユのばら』(原作/池田理代子)がスタートしました。
当時『超電磁マシーン ボルテスⅤ』を手がけた長浜忠夫さんと、『UFOロボ グレンダイザー』や『惑星ロボ ダンガードA』などの作画で定評のあった荒木伸吾さんが組まれるいうことで話題になりました。
原作は、『週刊マーガレット』に1972年(昭和47年)から73年に連載されました。1974年には、宝塚歌劇で上演され大ブームとなっています。この演出は往年の名優で、「ミーハー」と呼ばれるファンを生み出した元祖と言われた長谷川一夫さんです。
『ベルサイユのばら』は長年、アニメ化も待ち望まれていました。ただ、煌びやかでドラマチックな世界を当時、アニメで描き出すことは無理だろうとも思われていたのです。それが原作完結後、6年の時を経てアニメ化されることになりました。
長浜さんも、古巣の東京ムービーから誘いを受け、当時日本サンライズで『未来ロボ ダルタニアス』を制作中だったにも関わらず、途中降板して総監督を引き受けます。
これは『巨人の星』時代に実力を認めた荒木伸吾さんが、参加されたことも大きな理由だったでしょう。
元々、長浜さんは『ボルテスV』や『闘将ダイモス』などで、美形キャラブームを盛り上げた人です。流麗なキャラクターたちの波乱に満ちたドラマを、ロボット抜きにもっと掘り下げたいと思っていたのです。
第1話から、まるで歌舞伎のように熱演するキャラクター、貴族たちの豪華な装飾品、見せ場はハーモニー作画と、ぐいぐいと見る者に迫ってきました。理想の演技を徹底するため、長浜さんは録音監督まで兼任する力の入れようでした。当時、これを長浜さんはやりたかったんだなと、納得したことを覚えています。
荒木さんと姫野美智さんの奮闘で、キャラも崩れることなくストーリーは進みます。そして、いつしか、テロップから長浜さんの名が消え何話か後、チーフディレクターとして出崎統さんの名前が入りました。
物語も革命前夜に入り、ますます激動の時代に突入していきます。後半の演出を受けられた出崎さんも、よりドラマチックに静と動のコントラストを見せてくれました。
オスカルやアンドレ、アランたちの内面や思いも描かれ、それぞれが時代の転換期に懸命に生きる群像劇として、物語の結末を知っていても目を離すことができませんでした。
オスカルの凛とした美しさ、憂いを秘めたアンドレの表情、きらびやかな衣装も印象的でした。他の作品では、担当の作画監督によって毎回絵が変わることも多かったので、絵の統一がここまで行き届き、しかもそれぞれ大人になった姿までが描かれたことは見ていて驚異でもありました。
池田理代子さんの素晴らしい原作を、荒木伸吾さんと姫野美智さんの作画を存分に堪能できたうえ、個性溢れる二人の演出家の技を堪能出来た貴重な作品です。

『ベルサイユのばら』動画
放映後かなり経ってから出版された中央公論新社のアニメコミックスでは、
クオリティの高い画をゆっくりと見ることが出来ました。
当時『超電磁マシーン ボルテスⅤ』を手がけた長浜忠夫さんと、『UFOロボ グレンダイザー』や『惑星ロボ ダンガードA』などの作画で定評のあった荒木伸吾さんが組まれるいうことで話題になりました。
原作は、『週刊マーガレット』に1972年(昭和47年)から73年に連載されました。1974年には、宝塚歌劇で上演され大ブームとなっています。この演出は往年の名優で、「ミーハー」と呼ばれるファンを生み出した元祖と言われた長谷川一夫さんです。
『ベルサイユのばら』は長年、アニメ化も待ち望まれていました。ただ、煌びやかでドラマチックな世界を当時、アニメで描き出すことは無理だろうとも思われていたのです。それが原作完結後、6年の時を経てアニメ化されることになりました。
長浜さんも、古巣の東京ムービーから誘いを受け、当時日本サンライズで『未来ロボ ダルタニアス』を制作中だったにも関わらず、途中降板して総監督を引き受けます。
これは『巨人の星』時代に実力を認めた荒木伸吾さんが、参加されたことも大きな理由だったでしょう。
元々、長浜さんは『ボルテスV』や『闘将ダイモス』などで、美形キャラブームを盛り上げた人です。流麗なキャラクターたちの波乱に満ちたドラマを、ロボット抜きにもっと掘り下げたいと思っていたのです。
第1話から、まるで歌舞伎のように熱演するキャラクター、貴族たちの豪華な装飾品、見せ場はハーモニー作画と、ぐいぐいと見る者に迫ってきました。理想の演技を徹底するため、長浜さんは録音監督まで兼任する力の入れようでした。当時、これを長浜さんはやりたかったんだなと、納得したことを覚えています。
荒木さんと姫野美智さんの奮闘で、キャラも崩れることなくストーリーは進みます。そして、いつしか、テロップから長浜さんの名が消え何話か後、チーフディレクターとして出崎統さんの名前が入りました。
物語も革命前夜に入り、ますます激動の時代に突入していきます。後半の演出を受けられた出崎さんも、よりドラマチックに静と動のコントラストを見せてくれました。
オスカルやアンドレ、アランたちの内面や思いも描かれ、それぞれが時代の転換期に懸命に生きる群像劇として、物語の結末を知っていても目を離すことができませんでした。
オスカルの凛とした美しさ、憂いを秘めたアンドレの表情、きらびやかな衣装も印象的でした。他の作品では、担当の作画監督によって毎回絵が変わることも多かったので、絵の統一がここまで行き届き、しかもそれぞれ大人になった姿までが描かれたことは見ていて驚異でもありました。
池田理代子さんの素晴らしい原作を、荒木伸吾さんと姫野美智さんの作画を存分に堪能できたうえ、個性溢れる二人の演出家の技を堪能出来た貴重な作品です。

『ベルサイユのばら』動画
放映後かなり経ってから出版された中央公論新社のアニメコミックスでは、
クオリティの高い画をゆっくりと見ることが出来ました。
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