植村伴次郎さんに感謝
- 2019/11/10
- 09:39
東北新社を創業された植村伴次郎さんが、10月10日に90歳で亡くなられました。
東北新社といえば、ファンには、イギリスのITCによる『サンダーバード』を日本に紹介したことで知られていました。テレビ番組の輸入から吹き替え、番組製作などを手掛ける会社です。
古くからのアニメファンには、『勇者ライディーン』や『ハゼドン』、『ろぼっこビートン』などでも、なじみ深い会社でした。
その後も、アニメでは『サンダーバード』の近未来版『科学救助隊テクノボイジャー』を製作しています。後年『宇宙戦艦ヤマト』の権利を、西崎義展さんから買収したことでも知られていました。
そもそも、日本サンライズの元になった創映社とその制作部門のサンライズスタジオは、虫プロからスタッフが独立して設立した会社です。資金の無かった彼らに出資したのが、東北新社でした。
そこでサンライズスタジオは、『ハゼドン』や『ゼロテスター』、『勇者ライディーン』、『ろぼっこビートン』などのテレビシリーズを制作していったのです。
実は『宇宙戦艦ヤマト』テレビシリーズ第一作にも、サンライズスタジオは1本だけ参加しています。ただ、作画スタッフは手一杯だったため、フリーの坂本三郎さんたちを中心に外注されました。
『勇者ライディーン』や『ろぼっこビートン』は、もともとテレビオリジナル企画です。作品がいくらヒットしても下請けの立場では版権収入などの利益が入らないため、彼らは独立して日本サンライズを興すことにしたのです。
その後『超電磁ロボ コン・バトラーV』や『超電磁マシーン ボルテスV』など、東映本社の制作協力で力を溜め、ようやく自社作品として製作したのが『無敵鋼人ザンボット3』でした。
また以前、森川信英さんにお聞きしたところでは、『妖怪人間ベム』終了後、次の作品がなかなか決まらない第一動画の末期に手を差し伸べたのも、植村さんの東北新社だったそうです。
残念ながら、第一動画は消滅してしまいましたが、もし東北新社の支援で存続していたら、その後のアニメ界の歴史がどう変わったのかも興味深いところです。
前述の『テクノボイジャー』も、東北新社作品です。こちらは石黒昇監督率いるアートランドがメインになっていました。『超時空要塞マクロス』でデビューする前の美樹本晴彦さんが、キャラクターデザインにも参加していました。この作品があったからこそ、次の『マクロス』へと繋がったと考えるのは、うがち過ぎでしょうか。
こうして振り返ってみると、テレビアニメ史の中でも、重要なポイントごとに東北新社が関わっていたことも分かります。
東北新社の創業者である植村伴次郎さんに、感謝いたします。
東北新社といえば、ファンには、イギリスのITCによる『サンダーバード』を日本に紹介したことで知られていました。テレビ番組の輸入から吹き替え、番組製作などを手掛ける会社です。
古くからのアニメファンには、『勇者ライディーン』や『ハゼドン』、『ろぼっこビートン』などでも、なじみ深い会社でした。
その後も、アニメでは『サンダーバード』の近未来版『科学救助隊テクノボイジャー』を製作しています。後年『宇宙戦艦ヤマト』の権利を、西崎義展さんから買収したことでも知られていました。
そもそも、日本サンライズの元になった創映社とその制作部門のサンライズスタジオは、虫プロからスタッフが独立して設立した会社です。資金の無かった彼らに出資したのが、東北新社でした。
そこでサンライズスタジオは、『ハゼドン』や『ゼロテスター』、『勇者ライディーン』、『ろぼっこビートン』などのテレビシリーズを制作していったのです。
実は『宇宙戦艦ヤマト』テレビシリーズ第一作にも、サンライズスタジオは1本だけ参加しています。ただ、作画スタッフは手一杯だったため、フリーの坂本三郎さんたちを中心に外注されました。
『勇者ライディーン』や『ろぼっこビートン』は、もともとテレビオリジナル企画です。作品がいくらヒットしても下請けの立場では版権収入などの利益が入らないため、彼らは独立して日本サンライズを興すことにしたのです。
その後『超電磁ロボ コン・バトラーV』や『超電磁マシーン ボルテスV』など、東映本社の制作協力で力を溜め、ようやく自社作品として製作したのが『無敵鋼人ザンボット3』でした。
また以前、森川信英さんにお聞きしたところでは、『妖怪人間ベム』終了後、次の作品がなかなか決まらない第一動画の末期に手を差し伸べたのも、植村さんの東北新社だったそうです。
残念ながら、第一動画は消滅してしまいましたが、もし東北新社の支援で存続していたら、その後のアニメ界の歴史がどう変わったのかも興味深いところです。
前述の『テクノボイジャー』も、東北新社作品です。こちらは石黒昇監督率いるアートランドがメインになっていました。『超時空要塞マクロス』でデビューする前の美樹本晴彦さんが、キャラクターデザインにも参加していました。この作品があったからこそ、次の『マクロス』へと繋がったと考えるのは、うがち過ぎでしょうか。
こうして振り返ってみると、テレビアニメ史の中でも、重要なポイントごとに東北新社が関わっていたことも分かります。
東北新社の創業者である植村伴次郎さんに、感謝いたします。
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