魅力あふれる「タツ・マゴ」作品 その8
- 2014/11/22
- 10:54
■『テクノポリス21C』②
『テクノポリス21C』は東宝製作の映画でしたが、他のアニメ映画のようには条件面では恵まれてはいませんでした。
劇場公開も早朝の一回だったり、地方では一日だけの限定などと変則的な上映だったのです。ただ大きなスクリーンに映し出される、スタジオぬえによるシャープなメカニックや、描き出された未来都市センチネルシティの雰囲気やキャラクターたちは、洋画を見ているようで大画面にふさわしく魅力的でした。
配役も、主人公の壬生京介には、『マシーンブラスター』と同じ安原義人さん、鳴海本部長には内海賢二さん、チャールズ・ブロンソン似の犯罪者役にも滝口順平さんと実力派が勢ぞろいし、外国映画の吹き替えのような雰囲気のある演技が、作品をより印象的にしていました。
のちに宮崎駿作品で有名になる前の久石譲さんによる音楽も素晴らしく、冒頭の主人公・壬生京介の運転する車が疾走するシーンで流れる主題歌『いつか黒船』や、物語のエンディングにぴったりだったサブテーマ『ふりむけばラプソディ』などは、今でも心に残っています。
惜しむらくはもう少し早い時期に通常の映画扱いで公開されていれば、もっと話題になったとも思います。この『テクノポリス21C』で描き出された世界のイメージは今でも印象深く、ピッタリだったBGMとともに忘れられない作品です。
余談ですが、「フューチャーポリス」と聞くと、あるタツノコ作品を思い出す方もいらっしゃると思います。『未来警察ウラシマン』のアイキャッチには、「フューチャーポリス」とナレーションも入っていました。『テクノポリス21C』と『ウラシマン』には、どこかしら不思議な線が繋がっているように思います。未来の警察署が舞台ですし、主人公は、時代遅れの古い四輪車を愛車としているのです。
ウラシマンの強化装備スーツは、テクロイド「ブレーダー」の雰囲気にもどことなく似ているような気もしました。
そもそも『テクノポリス21C』は当初、タツノコプロで制作するはずだったという噂も聞いたことがあります。その企画書が社内のどこかに残っていて、『ウラシマン』の企画立ち上げの際、なんらかの形で参考になった、と考えてみるのも楽しいことです。
また、石黒昇さんやスタジオぬえとタツノコプロといえば、『超時空要塞マクロス』です。この企画がご縁で、『マクロス』での製作協力にも繋がったのでしょうか。(つづく)

『テクノポリス21C』の背景画とブレーダーのセル
『テクノポリス21C』は東宝製作の映画でしたが、他のアニメ映画のようには条件面では恵まれてはいませんでした。
劇場公開も早朝の一回だったり、地方では一日だけの限定などと変則的な上映だったのです。ただ大きなスクリーンに映し出される、スタジオぬえによるシャープなメカニックや、描き出された未来都市センチネルシティの雰囲気やキャラクターたちは、洋画を見ているようで大画面にふさわしく魅力的でした。
配役も、主人公の壬生京介には、『マシーンブラスター』と同じ安原義人さん、鳴海本部長には内海賢二さん、チャールズ・ブロンソン似の犯罪者役にも滝口順平さんと実力派が勢ぞろいし、外国映画の吹き替えのような雰囲気のある演技が、作品をより印象的にしていました。
のちに宮崎駿作品で有名になる前の久石譲さんによる音楽も素晴らしく、冒頭の主人公・壬生京介の運転する車が疾走するシーンで流れる主題歌『いつか黒船』や、物語のエンディングにぴったりだったサブテーマ『ふりむけばラプソディ』などは、今でも心に残っています。
惜しむらくはもう少し早い時期に通常の映画扱いで公開されていれば、もっと話題になったとも思います。この『テクノポリス21C』で描き出された世界のイメージは今でも印象深く、ピッタリだったBGMとともに忘れられない作品です。
余談ですが、「フューチャーポリス」と聞くと、あるタツノコ作品を思い出す方もいらっしゃると思います。『未来警察ウラシマン』のアイキャッチには、「フューチャーポリス」とナレーションも入っていました。『テクノポリス21C』と『ウラシマン』には、どこかしら不思議な線が繋がっているように思います。未来の警察署が舞台ですし、主人公は、時代遅れの古い四輪車を愛車としているのです。
ウラシマンの強化装備スーツは、テクロイド「ブレーダー」の雰囲気にもどことなく似ているような気もしました。
そもそも『テクノポリス21C』は当初、タツノコプロで制作するはずだったという噂も聞いたことがあります。その企画書が社内のどこかに残っていて、『ウラシマン』の企画立ち上げの際、なんらかの形で参考になった、と考えてみるのも楽しいことです。
また、石黒昇さんやスタジオぬえとタツノコプロといえば、『超時空要塞マクロス』です。この企画がご縁で、『マクロス』での製作協力にも繋がったのでしょうか。(つづく)

『テクノポリス21C』の背景画とブレーダーのセル
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
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- カテゴリ:「タツ・マゴ」作品
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