小田部羊一さん、新版アニメーション画集刊行記念イベント
- 2019/12/25
- 22:10
師走も押し迫った12月22日、荻窪の杉並公会堂にて行われた、小田部羊一さんのトークイベントに行ってきました。
『新版 小田部羊一アニメーション画集』の完成を記念して刊行元のアニドウが主催したものです。
第1部は、小田部さんとアニドウのなみきたかしさんによるトーク。そして第2部は、小田部さんとゲストのひこねのりおさん、林静一さん、相磯嘉雄さんの座談会という構成でした。
第1部では、前の画集は11年かけて売り切ることが出来たと、なみきさんより報告されました。中でも、フィレンツェのアニメ学校の校長が買ってくれたことが嬉しかったとのこと。その縁で小田部さんはフィレンツェに招かれ、高畑勲さんも翌年訪問することになりました。
また、フランスで行われた小田部さんによる一週間のワークショップの様子も上映されました。小田部さんの指導に喜びを隠せない生徒さんたちは頼もしく、ここから次世代のアニメーターが登場するのでしょう。なんと、今回のイベントに駆けつけた参加者もいたようです。
小田部さんは、今年も精力的に海外に行っていらっしゃいます。今年の3月にモロッコを訪れた際の現地での講演も、ダイジェストか流されました。
なみきさんからは、小田部さんが描かれた『なつぞら』劇中の『神をつかんだ少年クリフ』のヒロイン・キアラの絵も収録されていることも今回の画集の目玉として紹介されました。
小田部さんは、増補したページに自分の絵ではないけど、どうしても入れたかった絵を紹介されました。『空とぶゆうれい船』など、小田部さんの原画をクリンナップした動画です。
描いたアニメーターは、小田部さんの中学時代の後輩です。東映動画に入社後、原画ではなく動画を極めたいと常に見事な動画を描いておられました。残念ながら亡くなられましたが、このような人たちと一緒にアニメーションを作ってきたことを、知って欲しかったそうです。
第2部は、林静一さん、ひこねのりおさん、相磯さんたち東映動画の同窓生が、小田部さんと東映動画長編の時代を振り返られました。
小田部さんは、楠部大吉郎さんの班で、周りは女性ばかりで寡黙な印象だったそうです。ひこねさんは、男ばかりの班だったからとコボしておられました。ですから林さんたち別の班の人が、近寄ると楠部さんにジロッと睨まれ威圧されていたそうです。
相磯さんからは、小田部さんは日本画出身だから、いつも姿勢が良かったとのこと。ほかにはやはり『わんぱく王子の大蛇退治』のハヤコマは良かったと、皆さんがおっしゃっておられました。
今回は林さんの脱線トークが面白すぎで、小田部さんたちも笑顔が絶えない座談会でした。まだまだ皆さんの若き時代のことをお聞きしたくなった、余韻の残る楽しいイベントでした。

『新版 小田部羊一アニメーション画集』完成記念バトル
「小田部羊一を愛した四人のオトコ」案内ハガキ
小田部さんは、「男に愛されるって言ってもね……」と、
イベントタイトルに少々困惑しておられました。

先に発売された、奥山玲子さんの画集と対の装丁になっています。
『新版 小田部羊一アニメーション画集』の完成を記念して刊行元のアニドウが主催したものです。
第1部は、小田部さんとアニドウのなみきたかしさんによるトーク。そして第2部は、小田部さんとゲストのひこねのりおさん、林静一さん、相磯嘉雄さんの座談会という構成でした。
第1部では、前の画集は11年かけて売り切ることが出来たと、なみきさんより報告されました。中でも、フィレンツェのアニメ学校の校長が買ってくれたことが嬉しかったとのこと。その縁で小田部さんはフィレンツェに招かれ、高畑勲さんも翌年訪問することになりました。
また、フランスで行われた小田部さんによる一週間のワークショップの様子も上映されました。小田部さんの指導に喜びを隠せない生徒さんたちは頼もしく、ここから次世代のアニメーターが登場するのでしょう。なんと、今回のイベントに駆けつけた参加者もいたようです。
小田部さんは、今年も精力的に海外に行っていらっしゃいます。今年の3月にモロッコを訪れた際の現地での講演も、ダイジェストか流されました。
なみきさんからは、小田部さんが描かれた『なつぞら』劇中の『神をつかんだ少年クリフ』のヒロイン・キアラの絵も収録されていることも今回の画集の目玉として紹介されました。
小田部さんは、増補したページに自分の絵ではないけど、どうしても入れたかった絵を紹介されました。『空とぶゆうれい船』など、小田部さんの原画をクリンナップした動画です。
描いたアニメーターは、小田部さんの中学時代の後輩です。東映動画に入社後、原画ではなく動画を極めたいと常に見事な動画を描いておられました。残念ながら亡くなられましたが、このような人たちと一緒にアニメーションを作ってきたことを、知って欲しかったそうです。
第2部は、林静一さん、ひこねのりおさん、相磯さんたち東映動画の同窓生が、小田部さんと東映動画長編の時代を振り返られました。
小田部さんは、楠部大吉郎さんの班で、周りは女性ばかりで寡黙な印象だったそうです。ひこねさんは、男ばかりの班だったからとコボしておられました。ですから林さんたち別の班の人が、近寄ると楠部さんにジロッと睨まれ威圧されていたそうです。
相磯さんからは、小田部さんは日本画出身だから、いつも姿勢が良かったとのこと。ほかにはやはり『わんぱく王子の大蛇退治』のハヤコマは良かったと、皆さんがおっしゃっておられました。
今回は林さんの脱線トークが面白すぎで、小田部さんたちも笑顔が絶えない座談会でした。まだまだ皆さんの若き時代のことをお聞きしたくなった、余韻の残る楽しいイベントでした。

『新版 小田部羊一アニメーション画集』完成記念バトル
「小田部羊一を愛した四人のオトコ」案内ハガキ
小田部さんは、「男に愛されるって言ってもね……」と、
イベントタイトルに少々困惑しておられました。

先に発売された、奥山玲子さんの画集と対の装丁になっています。
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