鈴木欽一郎さんインタビュー掲載 『まんだらけZENBU』97号
- 2020/02/22
- 07:57
『まんだらけZENBU』97号が2月10日に発売されました。巻頭特集は、電柱工事車両から始まる、「働く車特集」です。
表紙を開くと、昔の頃の夕暮れ後の薄暗さから電柱の街灯が点くまでが描かれたマンガで始まります。今は都会の夜は明るくなりましたが、昭和40年代くらいまでは、街灯はまだ薄暗く、夜道は寂しく怖いものでした。そんな頃を思い出させてくれるマンガでした。
特集では、古今東西のパトカーやミキサー車、クレーン車などの玩具の量に圧倒されます。
続いて『スターウォーズ』の人気者、R2-D2の特集では、珍しい懸賞グッズなども揃っており、ページをめくるだけでも楽しいものでした。
注目は、巻末からの貸本シリーズ『街』の特集でしょう。前号に続き、今回はNo.21から63まで、そして特別号まで掲載されています。
『街』の執筆者は、さいとう・たかをさんや、ありかわ栄一さん、川崎のぼるさん、山森ススムさんなど、豪華メンバーが揃っていました。アニメファンにとっては、荒木伸吾さんや金山明博さん、出崎統さん、真崎守さんなども作品を発表していたことでも、知られています。
中でも目を引いたのは、新人コンクールの投稿者です。中には、何度も入選された杉野昭夫さんのほか、芦田豊雄さん、岡田敏晴さん、そして宮崎駿さんもいたのです。後にアニメで名を成された皆さんもそれぞれ若い頃に劇画誌に作品を投稿し、創作に情熱を注いでいたことが分かります。
昭和20年代の学童社の『漫画少年』が後のマンガ家やアニメーターの登竜門だったことを考えると、昭和30年代には『街』が、その役割を果たしていたのです。
これまで『街』は全巻の入手が難しく、なかなか全貌を掴めませんでした。こうして各号の新人コンクールのページが公開されると、アニメ史からもその重要性が改めて分かります。
今回「アニメーションインタビュー」は、『パタリロ!』や東京ムービー版『鉄人28号』で、キャラクターデザイン・作画監督を手掛けられた鈴木欽一郎さんです。
常に、作品に合わせて端正な作画をしてこられた鈴木さんの劇画ファンだった時代から、東映動画入社、そしてターニングポイントとなった『ペンギンズ・メモリー 幸福物語』などまで、お話を伺っています。
見ている側からは決して分らないクリエイターならではの苦悩のお話など、語られたエピソードは身に沁みました。これだけ真摯にお仕事に向かってこられていたからこそ、数々の印象に残る作品を描き出してこられたことも分りました。
あの頃鈴木さんの作画がお好きだった方には、是非お読みいただきたい記事です。

『まんだらけZENBU』97号(まんだらけ出版部)
今号から、堤哲哉さんの連載は、懐かしのマンガノートの特集が始まりました。
かつての子どもにとっては、マンガノートはテレビまんがグッズとして、
欠かせないものでした。次号からの展開も楽しみです。
表紙を開くと、昔の頃の夕暮れ後の薄暗さから電柱の街灯が点くまでが描かれたマンガで始まります。今は都会の夜は明るくなりましたが、昭和40年代くらいまでは、街灯はまだ薄暗く、夜道は寂しく怖いものでした。そんな頃を思い出させてくれるマンガでした。
特集では、古今東西のパトカーやミキサー車、クレーン車などの玩具の量に圧倒されます。
続いて『スターウォーズ』の人気者、R2-D2の特集では、珍しい懸賞グッズなども揃っており、ページをめくるだけでも楽しいものでした。
注目は、巻末からの貸本シリーズ『街』の特集でしょう。前号に続き、今回はNo.21から63まで、そして特別号まで掲載されています。
『街』の執筆者は、さいとう・たかをさんや、ありかわ栄一さん、川崎のぼるさん、山森ススムさんなど、豪華メンバーが揃っていました。アニメファンにとっては、荒木伸吾さんや金山明博さん、出崎統さん、真崎守さんなども作品を発表していたことでも、知られています。
中でも目を引いたのは、新人コンクールの投稿者です。中には、何度も入選された杉野昭夫さんのほか、芦田豊雄さん、岡田敏晴さん、そして宮崎駿さんもいたのです。後にアニメで名を成された皆さんもそれぞれ若い頃に劇画誌に作品を投稿し、創作に情熱を注いでいたことが分かります。
昭和20年代の学童社の『漫画少年』が後のマンガ家やアニメーターの登竜門だったことを考えると、昭和30年代には『街』が、その役割を果たしていたのです。
これまで『街』は全巻の入手が難しく、なかなか全貌を掴めませんでした。こうして各号の新人コンクールのページが公開されると、アニメ史からもその重要性が改めて分かります。
今回「アニメーションインタビュー」は、『パタリロ!』や東京ムービー版『鉄人28号』で、キャラクターデザイン・作画監督を手掛けられた鈴木欽一郎さんです。
常に、作品に合わせて端正な作画をしてこられた鈴木さんの劇画ファンだった時代から、東映動画入社、そしてターニングポイントとなった『ペンギンズ・メモリー 幸福物語』などまで、お話を伺っています。
見ている側からは決して分らないクリエイターならではの苦悩のお話など、語られたエピソードは身に沁みました。これだけ真摯にお仕事に向かってこられていたからこそ、数々の印象に残る作品を描き出してこられたことも分りました。
あの頃鈴木さんの作画がお好きだった方には、是非お読みいただきたい記事です。

『まんだらけZENBU』97号(まんだらけ出版部)
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かつての子どもにとっては、マンガノートはテレビまんがグッズとして、
欠かせないものでした。次号からの展開も楽しみです。
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