勝田久さんに感謝
- 2020/03/07
- 08:33
声優の勝田久さんが、2月21日に亡くなられました。92歳でした。
勝田さんは戦後、兵役から復員した後、鎌倉アカデミアの演劇課科で俳優を目指します。そして菊田一夫さん演出の舞台『鐘の鳴る丘』に出演する機会を得ました。メインの役ではなかったのですが、その演技が菊田さんの目にとまり、東宝演劇部に所属されることになります。
そしてラジオドラマに興味を持ち、昭和22年(1948年)NHKのラジオドラマ『鐘の鳴る丘』に出演。以降はNHKの専属として、ドラマ以外にも農村番組のナレーションなど様々な番組をこなされました。
昭和31年(1956年)に放送された『少年探偵団』では、主役の明智小五郎を演じ「ラジオスター」として当時大人気となりました。
その後、黎明期のテレビの世界で、画番組の吹き替えなどで、活躍されることになります。
アニメファンにとっては、なんといっても昭和38年(1963年)1月から始まった虫プロの『鉄腕アトム』(原作/手塚治虫)のお茶ノ水博士でしょう。
このオーディションが行われることを知った勝田さんは、原作を読みあのクシャミをする独特の口調を見事に再現されました。
手塚さんもその演技を喜ばれ、その後はお茶ノ水博士と言えば勝田さんと、ずっと指名しておられたものです。
以降も『サスケ』(原作/白土三平)での重厚なナレーション。『超電磁マシーン ボルテスV』のダンゲ将軍。『闘将ダイモス』での和泉博士とオルバン大元帥。『ベルサイユのばら』のルイ15世など、長浜忠夫作品でも欠かせない役者さんでした。
中でも、『闘将ダイモス』で見せた、正義側の主人公を見守る人情派の和泉博士と、にっくき敵の首領オルバン大元帥の二役を見事に演じきられたのは、今でも印象に残っています。
アニメブーム時には、創刊間もない『アニメージュ』(徳間書店)や『ジ・アニメ』(近代映画社)などで、声優の世界を広めるために連載を精力的に執筆されました。また、ご自身でも後進を育てるために「勝田声優学院」(元・勝田声優教室)を、長年にわたって運営されていたのです。
まだ声優が限られた人にしか知られなかった頃、昭和53年(1978年)に自費でテキストである『声優への道』を出版されました。当時、声優に関する本は、この1冊しかありませんでした。
勝田さんの薫陶を受けた声優は、現在も第一線で多数活躍しています。
私も勝田さんの連載や著書で、門外漢ながら声優の仕事や世界について学ばせていただいた一人です。
改めて勝田さんの、これまでのお仕事に感謝いたします。

勝田久さんの著書『声優への道』『見えない主役 声優のすべて』『昭和声優列伝』

お茶の水博士、和泉博士、オルバン大元帥です。
勝田さんは戦後、兵役から復員した後、鎌倉アカデミアの演劇課科で俳優を目指します。そして菊田一夫さん演出の舞台『鐘の鳴る丘』に出演する機会を得ました。メインの役ではなかったのですが、その演技が菊田さんの目にとまり、東宝演劇部に所属されることになります。
そしてラジオドラマに興味を持ち、昭和22年(1948年)NHKのラジオドラマ『鐘の鳴る丘』に出演。以降はNHKの専属として、ドラマ以外にも農村番組のナレーションなど様々な番組をこなされました。
昭和31年(1956年)に放送された『少年探偵団』では、主役の明智小五郎を演じ「ラジオスター」として当時大人気となりました。
その後、黎明期のテレビの世界で、画番組の吹き替えなどで、活躍されることになります。
アニメファンにとっては、なんといっても昭和38年(1963年)1月から始まった虫プロの『鉄腕アトム』(原作/手塚治虫)のお茶ノ水博士でしょう。
このオーディションが行われることを知った勝田さんは、原作を読みあのクシャミをする独特の口調を見事に再現されました。
手塚さんもその演技を喜ばれ、その後はお茶ノ水博士と言えば勝田さんと、ずっと指名しておられたものです。
以降も『サスケ』(原作/白土三平)での重厚なナレーション。『超電磁マシーン ボルテスV』のダンゲ将軍。『闘将ダイモス』での和泉博士とオルバン大元帥。『ベルサイユのばら』のルイ15世など、長浜忠夫作品でも欠かせない役者さんでした。
中でも、『闘将ダイモス』で見せた、正義側の主人公を見守る人情派の和泉博士と、にっくき敵の首領オルバン大元帥の二役を見事に演じきられたのは、今でも印象に残っています。
アニメブーム時には、創刊間もない『アニメージュ』(徳間書店)や『ジ・アニメ』(近代映画社)などで、声優の世界を広めるために連載を精力的に執筆されました。また、ご自身でも後進を育てるために「勝田声優学院」(元・勝田声優教室)を、長年にわたって運営されていたのです。
まだ声優が限られた人にしか知られなかった頃、昭和53年(1978年)に自費でテキストである『声優への道』を出版されました。当時、声優に関する本は、この1冊しかありませんでした。
勝田さんの薫陶を受けた声優は、現在も第一線で多数活躍しています。
私も勝田さんの連載や著書で、門外漢ながら声優の仕事や世界について学ばせていただいた一人です。
改めて勝田さんの、これまでのお仕事に感謝いたします。

勝田久さんの著書『声優への道』『見えない主役 声優のすべて』『昭和声優列伝』

お茶の水博士、和泉博士、オルバン大元帥です。