『じゃりン子チエ COMPLETE DVD BOOK』Vol.3
- 2020/03/08
- 09:50
昨年12月から毎月1冊ペースで刊行される、『じゃりン子チエ COMPLETE DVD BOOK』の3巻目が発売されました。
VOL.3に収録されているのは、第23話「はじかれてご破算のテツ」から、第33話「テツも小鉄もいい男?!」までの、11話です。
これは全6巻の予定ですから、これでちょうどシリーズの半分まで来たことになります。
『じゃりん子チエ』の放映は、1981年(昭和56年)10月から83年3月までのTBS/MBS系の放映です。はるき悦巳さんによる原作は、『週刊漫画アクション』に1978年(昭和53年)10月から97年8月まで19年間連載されました。
私がはじめて『じゃりン子チエ』を知ったのは、アクションコミックスの第1巻からでした。実は、その前にはるきさんのマンガは読んでいたのですが、テイストが違っており、最初は同じ作者だとは思いませんでした。
その作品が掲載されたのは、手塚治虫さんの『火の鳥』が連載されていた朝日ソノラマの『月刊マンガ少年』です。
この昭和53年(1978年)の6月号に、『伝説』という読み切りが載っていたのです。
当時の同誌は、手塚さんのほか、石森章太郎さんの『サイボーグ009』、松本零士さんの『ミライザーバン』、竹宮恵子さんの『地球へ…』、ジョージ秋山さんの『青の洞門』、そして桂真佐喜さん、石川賢さんの『聖魔伝』などが連載されていました。
ほかにも水木しげるさんや藤子不二雄さん、永井豪さん、そして諸星大二郎さんなどゲストの読み切り作品が載るのも楽しみでした。
そんなある時、巨人伝説をテーマにした地味な作品が掲載されたのです。作者も絵柄もこれまで見たことがありません。それは、異国の巨人伝説をテーマにしたものでした。物語の最後まで巨人自体は出てこず、ラストは大きな人型に空いた壁のみが描かれました。ですが、素朴でどことなく乾いた土の匂いもするような作品は印象的でした。
それが、はるき悦巳さんのものだったことを、『じゃりん子チエ』第1巻を読み進めるうちに気づきました。
砂漠の地での無常観を感じさせる短編と、『チエ』のワチャワチャした大阪の世界はかなり異なります。ですが、その登場人物を見つめる視座のようなものは同じようにも感じました。
近づき過ぎず遠過ぎもしない暖かな視点こそが、はるきさんの作風だったのでしょう。アニメ版も高畑勲さんは、その作風を損なわず映像化してくれています。
VOL.3では、ヒラメちゃんの絶唱や、手札が顔に出ることをお面で克服したテツの大勝負、地獄組のボスの個性的な弟の登場など、相変わらず騒がしいチエちゃんワールドが展開します。

『じゃりン子チエ COMPLETE DVD BOOK』Vol.3
VOL.3に収録されているのは、第23話「はじかれてご破算のテツ」から、第33話「テツも小鉄もいい男?!」までの、11話です。
これは全6巻の予定ですから、これでちょうどシリーズの半分まで来たことになります。
『じゃりん子チエ』の放映は、1981年(昭和56年)10月から83年3月までのTBS/MBS系の放映です。はるき悦巳さんによる原作は、『週刊漫画アクション』に1978年(昭和53年)10月から97年8月まで19年間連載されました。
私がはじめて『じゃりン子チエ』を知ったのは、アクションコミックスの第1巻からでした。実は、その前にはるきさんのマンガは読んでいたのですが、テイストが違っており、最初は同じ作者だとは思いませんでした。
その作品が掲載されたのは、手塚治虫さんの『火の鳥』が連載されていた朝日ソノラマの『月刊マンガ少年』です。
この昭和53年(1978年)の6月号に、『伝説』という読み切りが載っていたのです。
当時の同誌は、手塚さんのほか、石森章太郎さんの『サイボーグ009』、松本零士さんの『ミライザーバン』、竹宮恵子さんの『地球へ…』、ジョージ秋山さんの『青の洞門』、そして桂真佐喜さん、石川賢さんの『聖魔伝』などが連載されていました。
ほかにも水木しげるさんや藤子不二雄さん、永井豪さん、そして諸星大二郎さんなどゲストの読み切り作品が載るのも楽しみでした。
そんなある時、巨人伝説をテーマにした地味な作品が掲載されたのです。作者も絵柄もこれまで見たことがありません。それは、異国の巨人伝説をテーマにしたものでした。物語の最後まで巨人自体は出てこず、ラストは大きな人型に空いた壁のみが描かれました。ですが、素朴でどことなく乾いた土の匂いもするような作品は印象的でした。
それが、はるき悦巳さんのものだったことを、『じゃりん子チエ』第1巻を読み進めるうちに気づきました。
砂漠の地での無常観を感じさせる短編と、『チエ』のワチャワチャした大阪の世界はかなり異なります。ですが、その登場人物を見つめる視座のようなものは同じようにも感じました。
近づき過ぎず遠過ぎもしない暖かな視点こそが、はるきさんの作風だったのでしょう。アニメ版も高畑勲さんは、その作風を損なわず映像化してくれています。
VOL.3では、ヒラメちゃんの絶唱や、手札が顔に出ることをお面で克服したテツの大勝負、地獄組のボスの個性的な弟の登場など、相変わらず騒がしいチエちゃんワールドが展開します。

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