天馬正人さんの『スーパーゼット』第4巻で完結
- 2020/03/14
- 09:17
名作マンガ復刻を地道に続けているアップルBOXクリエートより、1959年(昭和34年)『少年クラブ』連載の『スーパーゼット』(原作/宮川一郎 画/天馬正人)第4巻が刊行されました。
『少年クラブ』は、老舗の月刊誌でした。戦前の『少年倶楽部』時代は、『あ々玉杯に花うけて』(佐藤紅録)や、『神州天馬侠』(吉川英治)、『怪人二十面相』(江戸川乱歩)など有名作家の小説とともに、田河水泡さんの『のらくろ』などが連載されていました。
戦後になると、『月光仮面』(原作/川内康範 まんが/桑田次郎)や『ロック冒険紀』(手塚治虫)、などの連載でも有名です。
『スーパーゼット』の原作は、『スーパージャイアンツ』を手掛けられた宮川一郎さんです。この作品は『少年クラブ』でも人気で、1959年7月号から1961年9月号まで2年を越える長期連載となっていました。これまでなぜか単行本化されなかったため、今回60年ぶりにまとめられたことになります。
残念ながら実際の原稿は保存されておらず、今回、アップルBOXクリエートが地道な探求作業で当時の掲載誌を探し、印刷物から形にしてくれました。
天馬さんは昔気質のマンガ家だったためか、ご自身で画稿を保存していませんでした。ただ、3巻から4巻に収録された「地底の怪魚の巻」の原稿の一部は奇跡的に手元に持っておられました。
ですが晩年、タツノコプロ作品のファンへ、何枚か記念にとあげていました。こちらが驚くと、「こんなものでも、喜んでくれたら嬉しいんですよ」と、微笑んでおられたことを思い出します。
第4巻は、透明な地底怪魚プラノラマのエピソード「地底の怪魚の巻」の続きです。第3巻は、謎のヘビ博士によって透明な体にされてしまった五郎くんの妹の京子ちゃんのピンチで終ります。
透明にされた体を元に戻すため、東京の菊地先生を訪れたスーパーゼット一行にパワーアップしたプラノラマの大群が襲ってきます。にせスーパーゼットの奸計を打ち破り、京子ちゃんを元に戻す解毒薬は完成するのか、最後までハラハラさせられる展開でした。
他にも、『少年クラブ』増刊号に掲載された読み切り短編「ゆうれい屋敷の巻」、「なぞのおおかみ人間の巻」、「妖犬の巻」。そして連載時の本編、アラビアの秘宝をめぐる「赤い口の魔人の巻」、最終話の「怪物キルゴ逆襲の巻」が収録されています。
今から60年前の作品とはいえ、怪奇とサスペンス要素が強くスリリングな世界は楽しく読むことができました。こうしてまとめて読めるようにしてくれた、アップルBOXクリエートに感謝です。
天馬正人さんのスーパーヒーローものといえば、もう一作、初期『少年マガジン』に連載された『パトロールQ』(原作/伊藤照夫)もあります。こちらの作品も復刻されるとうれしいです。

アップルBOXクリエート刊『スーパーゼット』第4巻
神保町の夢野書店や、まんだらけでも委託販売されています。
60年前の作品ですが、この不思議な魅力はオススメです。
『少年クラブ』は、老舗の月刊誌でした。戦前の『少年倶楽部』時代は、『あ々玉杯に花うけて』(佐藤紅録)や、『神州天馬侠』(吉川英治)、『怪人二十面相』(江戸川乱歩)など有名作家の小説とともに、田河水泡さんの『のらくろ』などが連載されていました。
戦後になると、『月光仮面』(原作/川内康範 まんが/桑田次郎)や『ロック冒険紀』(手塚治虫)、などの連載でも有名です。
『スーパーゼット』の原作は、『スーパージャイアンツ』を手掛けられた宮川一郎さんです。この作品は『少年クラブ』でも人気で、1959年7月号から1961年9月号まで2年を越える長期連載となっていました。これまでなぜか単行本化されなかったため、今回60年ぶりにまとめられたことになります。
残念ながら実際の原稿は保存されておらず、今回、アップルBOXクリエートが地道な探求作業で当時の掲載誌を探し、印刷物から形にしてくれました。
天馬さんは昔気質のマンガ家だったためか、ご自身で画稿を保存していませんでした。ただ、3巻から4巻に収録された「地底の怪魚の巻」の原稿の一部は奇跡的に手元に持っておられました。
ですが晩年、タツノコプロ作品のファンへ、何枚か記念にとあげていました。こちらが驚くと、「こんなものでも、喜んでくれたら嬉しいんですよ」と、微笑んでおられたことを思い出します。
第4巻は、透明な地底怪魚プラノラマのエピソード「地底の怪魚の巻」の続きです。第3巻は、謎のヘビ博士によって透明な体にされてしまった五郎くんの妹の京子ちゃんのピンチで終ります。
透明にされた体を元に戻すため、東京の菊地先生を訪れたスーパーゼット一行にパワーアップしたプラノラマの大群が襲ってきます。にせスーパーゼットの奸計を打ち破り、京子ちゃんを元に戻す解毒薬は完成するのか、最後までハラハラさせられる展開でした。
他にも、『少年クラブ』増刊号に掲載された読み切り短編「ゆうれい屋敷の巻」、「なぞのおおかみ人間の巻」、「妖犬の巻」。そして連載時の本編、アラビアの秘宝をめぐる「赤い口の魔人の巻」、最終話の「怪物キルゴ逆襲の巻」が収録されています。
今から60年前の作品とはいえ、怪奇とサスペンス要素が強くスリリングな世界は楽しく読むことができました。こうしてまとめて読めるようにしてくれた、アップルBOXクリエートに感謝です。
天馬正人さんのスーパーヒーローものといえば、もう一作、初期『少年マガジン』に連載された『パトロールQ』(原作/伊藤照夫)もあります。こちらの作品も復刻されるとうれしいです。

アップルBOXクリエート刊『スーパーゼット』第4巻
神保町の夢野書店や、まんだらけでも委託販売されています。
60年前の作品ですが、この不思議な魅力はオススメです。
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