『宇宙大帝ゴッドシグマ』 祝放映40周年
- 2020/03/28
- 08:24
昭和55年(1980年)3月19日、テレビ東京系で『宇宙大帝ゴッドシグマ』がスタートしました。今年で、40周年を迎えます。東映製作で、実際の制作はアカデミー制作(東京動画)でした。
東映本社のロボットものは、『未来ロボ ダルタニアス』まで日本サンライズの制作でしたが、『ゴッドシグマ』からは『宇宙戦艦ヤマト』の西崎義展さんの会社、アカデミー制作に移行します。
これは、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の配給が東映だったことや、この当時東映本社からアカデミー制作に移籍されていた飯島敬さんのルートなどもあったかもしれません。
キャラクター原案には『エリア88』や『ふたり鷹』などの人気マンガ家の新谷かおるさんを招き、これまでのサンライズ路線とは違ったイメージになりました。3体合体のゴッドシグマのデザインも斬新でシャープな、格好いいものでした。
宇田川一彦さんによるアニメーション用キャラクターも、新谷キャラのイメージを崩すことなく描き出していて魅力的でした。
熱血漢の壇闘志也や冷静沈着な理系男子、ジュリイ野口、気のいい吉良謙作、そして、わがまま娘のミナコ・マルチーノ、風見博士の秘書である理恵など、それぞれは個性的でした。
なかでも、主人公たちを率いていた風見博士は、ロボットアニメ史上初の味方を裏切るキャラクターとして、今でも語られることがあります。
今となっては風見の名前も「風見鶏」から取られたのかな、などと思いますが、放映時は自分の研究のために敵と取引し、トリニティシティ側を裏切るというありえない行動には唖然とさせられました。
敵のエルダー軍を率いるテラル総司令官にも悲劇のドラマが用意され、終盤明かされたエピソードは、その最後と共に哀しいものがありました。
風見博士やテラル総司令官など、それぞれのキャラクターや設定などは緻密に練られていたハズなのですが、今いち散漫な印象に終ってしまったのは、全体の作画のせいもあったかもしれません。
序盤こそ作画監督には宇田川一彦さんやアベ正己さん、中村孝さんが担当されましたが、その後の回は海外発注がメインになり、せっかくの新谷キャラが生かされているとはなかなか思えませんでした。
特にテラル総司令は、各作監によってデザインの解釈が異なっていたのか、様々な顔になったのは残念でした。
この『ゴッドシグマ』と次作の『百獣王ゴライオン』までが、東映本社製作でアカデミー制作(東京動画)による作品です。
どことなくキワものっぽい感じもありましたが、見始めると辞められない不思議な魅力もあった作品でした。

『宇宙大帝ゴッドシグマ』動画
闘志也の中村プロ作画回での凛々しい姿も印象的でした。
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