『ハクション大魔王』が令和の時代に再登場！

　古くからのアニメファンには懐かしの『ハクション大魔王』の新作が、４月１１日より日本テレビ系でスタートしました。

　タイトルは『ハクション大魔王２０２０』で、毎週土曜夕方５時半からの放映です。
　舞台は前作の５０年後です。魔法界の王位をハクション大魔王から継ぐため、娘のアクビは人間界へ修行に出ます。

　行く先は、以前大魔王が仕えた与田山カンイチ（カンちゃん）の孫であるカンタロウの家です。
　実は、先にカンタロウの元に魔王は宅急便で謎の壷を送っていました。その壷を前にカンタロウがあくびをすると、アクビちゃんが登場します。
　カンタロウの願いを叶えるため希望を聞こうとするアクビでしたが、将来の夢や願いなども特に無いというカンタロウのリアクションに戸惑います。
　そんな時、カンタロウがクシャミをして、ハクション大魔王も召喚することになったのですが･･･。

　携帯やファミレスのない時代から、２０２０年にやってきた大魔王たちの戸惑いは、かなりうなづけるものでした。

　大魔王は今回、山寺宏一さんが演じられています。あの大平透さんのイメージも踏襲しつつ新しい大魔王像を見せてくれており、違和感無く見ることができました。
　幾分セリフのスピードが早く聴こえたのは、セリフの量が多かったためでしょう。さすがは山寺さんですので、これからも楽しみです。

　今回一番前作との違いを感じたのは、大魔王のタラコ唇です。あの特徴的な唇が普通になってしまったのは、ちょっと残念でした。
　またアクビちゃんのデザインも、２００１年にキッズステーションで放映された『よばれてとびでて！アクビちゃん』を踏襲したようで、幾分少女もののようなファンシーな雰囲気になっています。
　昔からのファンとしては、旧作での単純でプリミティブなキャラクターが印象的でしたので、きれいに整っていることでは、少々戸惑いも感じました。『アンパンマン』や、かつての『ドカチン』や『おらぁグズラだど』のようなシンプルな方が、より受け入れられるかもしれません。

　初回の第一話では、突然のリアルタッチの大魔王とアクビちゃんの登場から、それからおじさんの登場、懐かしのブル公も出てきて、楽しく見ることが出来ました。

　製作は、タツノコプロと日本アニメーションで、エンディングクレジットにはエイケンも出ていました。昔なら考えられない、夢のコラボです。

　これから新作の『ハクション大魔王２０２０』を見る新しい世代のファンが、この世界を楽しんでくれるとうれしいです。


初代『ハクション大魔王』『よばれてとびでて！アクビちゃん』原画