■ 80年代に突然現れた「タツ・マゴ」作品
これまで『ブロッカー軍団Ⅳ マシーンブラスター』から、『テクノポリス21C』まで、タツノコ作品ではないタツノコ調の「タツ・マゴ」作品を紹介してきました。
これらは、吉田竜夫さんが亡くなる前後集中して現れた、他社作品ながらタツノコテイストの強い作品でした。いずれも魅力的でどことなくタツノコ調のような感じでしたので、勝手に「タツ・マゴ」と名付けていました。いずれも、タツノコプロから流出した優秀なスタッフたちが作っていた作品です。
生前の吉田竜夫さんと、現場で一緒に作ってきたスタッフだったからこそ、吉田竜夫さん健在の頃の作品と、どことなく雰囲気の似た作品が出来上がったのでしょう。
さて、この時期から10年ほど経って突如出現した、自分にとってこれもタツノコプロがルーツの「タツ・マゴ」作品だと思えた作品を、最後にご紹介します。
1986年(昭和61年)4月から、日本テレビ系で日曜午前に放映開始された『剛Q超児
イッキマン』(原作/たなみやすお・高橋かずお)です。
製作は東映動画、『キン肉マン』の流れを汲む明朗スポ根路線で、野球と格闘技をミックスした競技“バトルボール”を舞台とした、青春スポーツアクション物です。
プロデューサーは『タイガーマスク』や、『バビル二世』など数々の名作を担当されたベテラン、田宮武さん。シリーズディレクターには、OVA『湘南爆走族』で、熱い青春群像を見事に描き出した西沢信孝さん。各話演出には芹川有吾さん、勝間田具治さん、美術はムクオスタジオの名手、窪田忠雄さんと、東映動画作品のメインスタッフが結集した布陣でした。
そこに、キャラクターデザインと作画監督には、『新造人間キャシャーン』や『破裏拳ポリマー』、『宇宙の騎士テッカマン』など数々のタツノコ作品に参加してきたタマプロの西城隆詞さん、そして各話の作画監督には、吉田竜夫亡き後のタツノコ作品の作画を支えていた
河合静男さんもローテーション入りを果たしていました。(つづく)
『剛Q超児イッキマン』ぬりえ
- 関連記事
-