勝又激さんの最新句集 『風まかせ ７』

　アニメーション美術監督の勝又激さんより、最新の俳句集『かつまた激句集　風まかせ　７』をお送りいただきました。

　勝又さんは、『さらば宇宙戦艦ヤマト　愛の戦士たち』や『ヤマトよ永遠に』、『宇宙戦艦ヤマト完結編』など『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの美術監督を長年務められました。
　また『鋼鉄ジーグ』や、『戦国魔神ゴーショーグン』、劇場版『１０００年女王』、『星銃士ビスマルク』そしてＯＶＡ『ＢＩＲＴＨ』などの作品の美術を覚えている方も多いでしょう。

　そんな勝又さんが詠んだ俳句を集めて定期的に発刊されているのが、私家版の句集『風まかせ』なのです。

　第７集となった今回は、２０１８年５月から２０１９年４月までの作がまとめられています。
　勝又さんの描き出す世界といえば、『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』など、巨大ロボットの戦闘シーンになると画面が一気に荒々しい画面に激変する「激空」や、『宇宙戦艦ヤマト』の各作品で描かれていた、硬質でメタリックな美術などでも古くからのアニメファンには印象に残っています。
　そんな勝又さんですが、現在もご自身が主宰されるコスモス・アーツでアニメ作品の美術を手がけられる傍ら、俳句を詠んだり俳画を描いていらっしゃいます。

　今回の表紙は、色鮮やかな朝顔の姿です。アニメーション作品での硬質でシャープな絵柄とは別の、勝又さん本来の世界が分かるようです。

　句集は、新年から立冬まで季節ごとに詠まれた、全部で１０９０句が収録されています。
　しかも実は、この３倍の３０００句あったものを、３分の１に切り詰めたとのことです。そこまで膨大な数の句を一年で詠みあげたという、そのエネルギーにも圧倒されました。

　さすがに美術を手掛けられた方が詠んだ句らしく、一句一句に表現された色彩感覚は特徴的で、今回もそれぞれの句から情景が目に浮かぶようです。
　最新の句集で、また俳句作品をじっくりと堪能させていただきました。


『かつまた激句集　風まかせ　７』
今回も勝又さんの手作りです。