『伝説巨人イデオン』 祝放映40周年
- 2020/05/16
- 06:30
1980年(昭和55年)5月8日、テレビ東京系で日本サンライズの『伝説巨人イデオン』がスタートしました。今年で40年を迎えます。
『伝説巨人イデオン』は、富野喜幸(現・由悠季)さんによる『機動戦士ガンダム』に続くオリジナルテレビシリーズでした。
前作の『ガンダム』の安彦良和さんの柔らかいタッチのキャラクターから、『イデオン』では湖川友謙さんによる硬質でリアルな絵となりました。
放映前、アニメ雑誌の告知記事で、初めてキャラクターを見たとき、その彫刻のようなリアルな絵柄に驚かされました。そして、このキャラたちがどう動くのかと期待も膨らみました。
最初は湖川友謙さんが、TV版『銀河鉄道999』や『ゴワッパー5ゴーダム』、『メカンダーロボ』などを描かれていた湖川滋さんと、自分の中で一致しませんでした。
放映を見て、特徴あるアオリ顔の描き方で分りました。
敵のバッフクランのメカも異星人らしく個性的でしたし、キャラクターもリアルながらもデザイン的で、他の作品の描きこんだ劇画調とは違う魅力でした。戸田恵子さんの歌うエンディングも名曲です。
ただ、作品的には正直戸惑っていました。絵はシャープでよかったのですが、少年たちが敵に襲われ宇宙船で逃亡するという流れは、『ガンダム』と似ていました。その割に『ガンダム』にくらべ、どのキャラも自己主張が強くギスギスしていて、感情移入することが出来なかったのです。
物語的にはつらかったのですが、毎回続きが気になりずっと見続けていました。
コスモが精神的に参った時に、優しく母親のように接してくれたカミューラ・ランバンが出てきた回は、少々救いを感じました。ところが、ラストで彼女もコスモの目の前で死んでしまうのです。この展開には衝撃を受けました。その後、コスモが心を交わすことになる少女キッチ・キッチンも、戦闘の中で殺されてしまいます。
そんなエピソードも続き、富野さんの厭世的気分が、ストレートに出すぎているようにも感じていました。
『イデオン』のテレビシリーズは、物語の結末を待たずに最終回を迎えます。それから『接触編』と『発動編』が劇場版として公開され、作品として完結しました。
ただ、ラストで生まれ変わるとはいえ、登場した人物全員が死んでしまうストーリーです。
それまで、テレビシリーズで見続けてきたキャラクターたちです。終盤にさしかかり、ようやくそれぞれが分かり合い始めたのですから、できればもう少し救われて現世で終って欲しかったとは思いました。
確かに、湖川さんのキャラクターや中村光毅(四条徹也)さんの硬質な美術は魅力的でした。ですが、登場人物たちのエゴがぶつかり合う本編は異質なものでした。
見ていてキツく感じているのですが、どうしても気になって次の回を見てしまうという不思議な魅力の作品でした。

『伝説巨人イデオン』
といいつつ、日本サンライズから出版された豪華本は刊行時に揃えていました。
『伝説巨人イデオン』は、富野喜幸(現・由悠季)さんによる『機動戦士ガンダム』に続くオリジナルテレビシリーズでした。
前作の『ガンダム』の安彦良和さんの柔らかいタッチのキャラクターから、『イデオン』では湖川友謙さんによる硬質でリアルな絵となりました。
放映前、アニメ雑誌の告知記事で、初めてキャラクターを見たとき、その彫刻のようなリアルな絵柄に驚かされました。そして、このキャラたちがどう動くのかと期待も膨らみました。
最初は湖川友謙さんが、TV版『銀河鉄道999』や『ゴワッパー5ゴーダム』、『メカンダーロボ』などを描かれていた湖川滋さんと、自分の中で一致しませんでした。
放映を見て、特徴あるアオリ顔の描き方で分りました。
敵のバッフクランのメカも異星人らしく個性的でしたし、キャラクターもリアルながらもデザイン的で、他の作品の描きこんだ劇画調とは違う魅力でした。戸田恵子さんの歌うエンディングも名曲です。
ただ、作品的には正直戸惑っていました。絵はシャープでよかったのですが、少年たちが敵に襲われ宇宙船で逃亡するという流れは、『ガンダム』と似ていました。その割に『ガンダム』にくらべ、どのキャラも自己主張が強くギスギスしていて、感情移入することが出来なかったのです。
物語的にはつらかったのですが、毎回続きが気になりずっと見続けていました。
コスモが精神的に参った時に、優しく母親のように接してくれたカミューラ・ランバンが出てきた回は、少々救いを感じました。ところが、ラストで彼女もコスモの目の前で死んでしまうのです。この展開には衝撃を受けました。その後、コスモが心を交わすことになる少女キッチ・キッチンも、戦闘の中で殺されてしまいます。
そんなエピソードも続き、富野さんの厭世的気分が、ストレートに出すぎているようにも感じていました。
『イデオン』のテレビシリーズは、物語の結末を待たずに最終回を迎えます。それから『接触編』と『発動編』が劇場版として公開され、作品として完結しました。
ただ、ラストで生まれ変わるとはいえ、登場した人物全員が死んでしまうストーリーです。
それまで、テレビシリーズで見続けてきたキャラクターたちです。終盤にさしかかり、ようやくそれぞれが分かり合い始めたのですから、できればもう少し救われて現世で終って欲しかったとは思いました。
確かに、湖川さんのキャラクターや中村光毅(四条徹也)さんの硬質な美術は魅力的でした。ですが、登場人物たちのエゴがぶつかり合う本編は異質なものでした。
見ていてキツく感じているのですが、どうしても気になって次の回を見てしまうという不思議な魅力の作品でした。

『伝説巨人イデオン』
といいつつ、日本サンライズから出版された豪華本は刊行時に揃えていました。
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