桑田二郎さんに感謝
- 2020/08/08
- 06:30
桑田二郎さんが、7月2日に85歳で亡くなられました。
桑田さんといえば、『まぼろし探偵』や『月光仮面』(原作/川内康範)、『エイトマン』(原作/平井和正)、『キングロボ』、『エリート』(原作/平井和正)、そして『ウルトラセブン』のコミカライズなど、数々の人気作を手掛けられた方です。
人生の後半は、茨城県の太陽村に居を移し、『マンガでつづる般若心経』や『絵で読む般若心経』など、主に精神世界をテーマにした作品を数多く執筆されました。
私も、『エイトマン』や『エリート』、『超犬リープ』(原作/平井和正)などの作品を、コミックスで愛読していたひとりです。
桑田さんが描かれるヒーローやヒロインたちは、クールでシャープな美形でどの作品も魅力的でした。
ですが、『般若心経』など以降の作品では、画風も変化します。
『チャンピオンRED』9月号の『特別付録 8マン』には、連載時の1964年(昭和39年)に描かれた「決闘」と、2004年に描かれたリメイク版の「血闘」が収録されています。
両作品を見比べると、その違いが絵柄に現れています。
連載時の『8マン』は、緊張感も感じられ完成度が高いのですが、リメイク版はより融通無碍に描かれているような感じもしました。
元々、アニメなどで慣れ親しんだのは連載時のタッチですが、70歳ちかくになって、このような若々しく人間味溢れる8マンや溌剌としたサチ子さんを描かれたことには、改めて心を打たれました。
桑田さんは、どのような心境でかつての自作を描いたのでしょうか。『8マン』の復刊などの話をしに、太陽村を訪ねてくる編集者にも自然体で飄々と接しておられたと聞きます。
個人的に思い出すのは、『インテリ五エ門』などを収録したサンコミックス「桑田次郎名作選シリーズ」や、『月刊Peke』(みのり書房)連載の「宇宙の放浪者フーテン・ベラ号」、そして珍しいお色気アクションの『アンドロイドピニ』などです。
いずれもおなじみのヒーローものと違い、シニカルで毒のある笑いを含んだ作品で、このようなジャンルもお好みだったことが分りました。時にはあまりにシュール過ぎて、桑田さんの厭世観も出ているのかと思ったこともあります。
シャープで颯爽としたヒーロー作品と、シニカルでドライな作品、いずれも桑田さんの世界です。
これまで、数々の作品でファンを魅了してくれた、桑田二郎さんに感謝いたします。

桑田二郎著『走れ!エイトマン』(筑摩書房)
1998年に出版された桑田さんの自伝です。
桑田さんといえば、『まぼろし探偵』や『月光仮面』(原作/川内康範)、『エイトマン』(原作/平井和正)、『キングロボ』、『エリート』(原作/平井和正)、そして『ウルトラセブン』のコミカライズなど、数々の人気作を手掛けられた方です。
人生の後半は、茨城県の太陽村に居を移し、『マンガでつづる般若心経』や『絵で読む般若心経』など、主に精神世界をテーマにした作品を数多く執筆されました。
私も、『エイトマン』や『エリート』、『超犬リープ』(原作/平井和正)などの作品を、コミックスで愛読していたひとりです。
桑田さんが描かれるヒーローやヒロインたちは、クールでシャープな美形でどの作品も魅力的でした。
ですが、『般若心経』など以降の作品では、画風も変化します。
『チャンピオンRED』9月号の『特別付録 8マン』には、連載時の1964年(昭和39年)に描かれた「決闘」と、2004年に描かれたリメイク版の「血闘」が収録されています。
両作品を見比べると、その違いが絵柄に現れています。
連載時の『8マン』は、緊張感も感じられ完成度が高いのですが、リメイク版はより融通無碍に描かれているような感じもしました。
元々、アニメなどで慣れ親しんだのは連載時のタッチですが、70歳ちかくになって、このような若々しく人間味溢れる8マンや溌剌としたサチ子さんを描かれたことには、改めて心を打たれました。
桑田さんは、どのような心境でかつての自作を描いたのでしょうか。『8マン』の復刊などの話をしに、太陽村を訪ねてくる編集者にも自然体で飄々と接しておられたと聞きます。
個人的に思い出すのは、『インテリ五エ門』などを収録したサンコミックス「桑田次郎名作選シリーズ」や、『月刊Peke』(みのり書房)連載の「宇宙の放浪者フーテン・ベラ号」、そして珍しいお色気アクションの『アンドロイドピニ』などです。
いずれもおなじみのヒーローものと違い、シニカルで毒のある笑いを含んだ作品で、このようなジャンルもお好みだったことが分りました。時にはあまりにシュール過ぎて、桑田さんの厭世観も出ているのかと思ったこともあります。
シャープで颯爽としたヒーロー作品と、シニカルでドライな作品、いずれも桑田さんの世界です。
これまで、数々の作品でファンを魅了してくれた、桑田二郎さんに感謝いたします。

桑田二郎著『走れ!エイトマン』(筑摩書房)
1998年に出版された桑田さんの自伝です。