魅力あふれる「タツ・マゴ」作品 その17
- 2014/12/27
- 09:07
■ 「タツ・マゴ」作品としての『剛Q超児イッキマン』
河合静男さんは『未来警察ウラシマン』の後、東映動画の『北斗の拳』(原作/武論尊・原哲夫)に原画と作画監督として参加されます。
『北斗の拳』の原作をより荒々しく昇華した須田正巳さんのハードなキャラクターは、河合さんにも合っていたのでしょう。『北斗の拳』でも河合さんの骨太の作画は健在でした。時々ケンシロウが、『科学忍者隊ガッチャマン』の健の姿にも重なる時もあり、そんなヒーロー像を見ることができたのも嬉しいことでした。
その頃のタツノコプロでは、『よろしくメカドッグ』や『超時空騎団サザンクロス』、『炎のアルペンローゼ』、『光の伝説』など、バラエティに富んだ作品を手掛け、その作品ごとに優秀な外部スタッフを集め製作するようになっていました。
それぞれ魅力的ではありましたが、『ガッチャマン』や『破裏拳ポリマー』、『宇宙の騎士テッカマン』など、個性的でタツノコ作品でしか見ることの出来ない作画に魅了されていた者としては、少々寂しい気持ちもありました。
かつて存在したタツノコカラーというものが、失われていくようにも感じていたのです。時代も、もはや一プロダクションの個性を打ち出すよりも、バラエティに富んだ作品を求めていたのでしょう。
そんな頃、河合さんは『北斗の拳』に続いて『剛Q超児イッキマン』でも、原画と作画監督として参加してくれました。
西城隆詞さんの立体感のあるキャラクターを、よりタツノコ調に描いてくれたのです。ギャグでもシリアスなシーンでも、力の入った作画を披露してくれました。普段のズッコケはともかく、熱くシリアスになる主人公は格好良かったですし、ニヒルなライバルであるサムソンのシブさも、力強いものでした。
この頃久しぶりに、本家が手掛けなくなっていたタツノコ調の作画を他社作品ながら見せられ胸を躍らせたのは、決して私だけではなかったと思います。
その後、河合さんは『スラムダンク』や『名探偵コナン』などにも参加されていますが、往時のようなタツノコ調の作画を披露されることはありませんでした。
ただ、河合さんの『イッキマン』の回を初めて見た時の感覚は、『ブロッカー軍団Ⅳ マシーンブラスター』や『超スーパーカー ガッタイガー』、『宇宙魔神ダイケンゴー』、そして『テクノポリス21C』などを、観たときと同じものでした。そこに、かつて見ていたタツノコ作品と同じ魅力的な作画の個性を感じました。
他の作品と時代はちょっとズレますが、『イッキマン』も私の考える「タツ・マゴ」作品のひとつなのです。(つづく)

「イッキマン」河合静男さんによる原画 河合さんはサタノブラッキーズの選手も格好良く描いてくれました
河合静男さんは『未来警察ウラシマン』の後、東映動画の『北斗の拳』(原作/武論尊・原哲夫)に原画と作画監督として参加されます。
『北斗の拳』の原作をより荒々しく昇華した須田正巳さんのハードなキャラクターは、河合さんにも合っていたのでしょう。『北斗の拳』でも河合さんの骨太の作画は健在でした。時々ケンシロウが、『科学忍者隊ガッチャマン』の健の姿にも重なる時もあり、そんなヒーロー像を見ることができたのも嬉しいことでした。
その頃のタツノコプロでは、『よろしくメカドッグ』や『超時空騎団サザンクロス』、『炎のアルペンローゼ』、『光の伝説』など、バラエティに富んだ作品を手掛け、その作品ごとに優秀な外部スタッフを集め製作するようになっていました。
それぞれ魅力的ではありましたが、『ガッチャマン』や『破裏拳ポリマー』、『宇宙の騎士テッカマン』など、個性的でタツノコ作品でしか見ることの出来ない作画に魅了されていた者としては、少々寂しい気持ちもありました。
かつて存在したタツノコカラーというものが、失われていくようにも感じていたのです。時代も、もはや一プロダクションの個性を打ち出すよりも、バラエティに富んだ作品を求めていたのでしょう。
そんな頃、河合さんは『北斗の拳』に続いて『剛Q超児イッキマン』でも、原画と作画監督として参加してくれました。
西城隆詞さんの立体感のあるキャラクターを、よりタツノコ調に描いてくれたのです。ギャグでもシリアスなシーンでも、力の入った作画を披露してくれました。普段のズッコケはともかく、熱くシリアスになる主人公は格好良かったですし、ニヒルなライバルであるサムソンのシブさも、力強いものでした。
この頃久しぶりに、本家が手掛けなくなっていたタツノコ調の作画を他社作品ながら見せられ胸を躍らせたのは、決して私だけではなかったと思います。
その後、河合さんは『スラムダンク』や『名探偵コナン』などにも参加されていますが、往時のようなタツノコ調の作画を披露されることはありませんでした。
ただ、河合さんの『イッキマン』の回を初めて見た時の感覚は、『ブロッカー軍団Ⅳ マシーンブラスター』や『超スーパーカー ガッタイガー』、『宇宙魔神ダイケンゴー』、そして『テクノポリス21C』などを、観たときと同じものでした。そこに、かつて見ていたタツノコ作品と同じ魅力的な作画の個性を感じました。
他の作品と時代はちょっとズレますが、『イッキマン』も私の考える「タツ・マゴ」作品のひとつなのです。(つづく)

「イッキマン」河合静男さんによる原画 河合さんはサタノブラッキーズの選手も格好良く描いてくれました
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
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- カテゴリ:「タツ・マゴ」作品
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