『タツノコプロ デザインアーカイブ 70年代SF編』
- 2020/08/26
- 06:30
『タツノコプロ デザインアーカイブ 70年代SF編』(玄光社)が出版されました。
『科学忍者隊ガッチャマン』、『新造人間キャシャーン』、『破裏拳ポリマー』、『宇宙の騎士テッカマン』など、1970年代のタツノコSFヒーロー作品の現存する設定を3分冊に収録したものです。
『ガッチャマン』は、続編の『ガッチャマンⅡ』と『ガッチャマンF』まで掲載されています。
ページをめくって、久しぶりに『ガッチャマン』や『キャシャーン』、『ポリマー』、『テッカマン』など、タツノコ黄金期のリアル調作画に熱中していた頃を思い出しました。
吉田竜夫さんの描き出した素晴らしいキャラクター、それを生かした宮本貞雄さん、林政行さん、須田正己さん、二宮常雄さん、塩山紀生さん、井口忠一さん、湖川滋(現・友謙)さんら作画陣。
鳥海尽三さん、陶山智さん、酒井あきよしさんら、人間ドラマを執筆したライター陣。
それぞれの世界観を、造形から色彩まで見事に表現した美術の中村光毅さん。なによりハードな世界とそこに展開する人間たちを描き出した鳥海永行さん、笹川ひろしさん率いる演出陣。鮮やかな色彩でも落ち着いた色指定。洋楽的なBGMなどど。
精鋭のスタッフが集結し描き出した魅力溢れる世界を、毎週楽しみにしていたものです。
本書はA4版ということもあり、それぞれのメイン設定は大きく掲載されています。また『キャシャーン』や『テッカマン』など、各話のキャラや美術設定にもページを割かれているのも注目です。『ポリマー』の、各メカへの転身の設定画は珍しいでしょう。
今回、40年前に疑問だったことを思い出しました。
1冊目の『ガッチャマン』の31ページ下段に掲載された、羽根手裏剣を口にくわえて微笑むジョーの絵です。アニメブーム時かなり劣化したコピーを持っていましたが、ジョーはこんな表情はしないので、これはてっきりファンアートだと思っていました。
公式本に掲載されたのですから、この絵もやはりオフィシャルのものだったのでしょう。
『ガッチャマンF』の鴨技師長や『ガッチャマンⅡ』のDr.ラッフェルの設定はありましたが、残念ながらパンドラ博士の設定は掲載されていません。
これは以前出版された『科学忍者隊マテリアル』(銀河出版)にも載ってなかったのですが、『ガッチャマンⅡ』では彼女も後半の重要なキャラクターでしたから、ぜひ掲載してほしかったところです。
各巻の巻末には、須田正己さん、井口忠一さん、湖川友謙さんのインタビューも掲載されています。脚注で、演出の鳥海永行さんのことを、尽三さんと紹介されているのはご愛嬌でしょう。
設定画だけでなく現存するカラーイラストも掲載されています。作品によっては本編原画も載っており、かつてのタツノコファンにはたまらない一冊でした。

『タツノコデザインアーカイブ 70年代SF編』(玄光社刊)
須田さん、湖川さんたちの吉田竜夫さんへの想いを改めて聞くことが出来るインタビューは必読です。
井口さんの『ガッチャマン』『キャシャーン』時代を振り返られたお話も深いものがありました。

この3冊が箱に入っています。表紙のマークで作品が分かりますね。

『科学忍者隊ガッチャマンⅡ』より、今回掲載されなかったパンドラ博士の設定です。
物語ラスト近くに明かされるゲルサドラとの関係は哀しいもので、印象に残っています。
『科学忍者隊ガッチャマン』、『新造人間キャシャーン』、『破裏拳ポリマー』、『宇宙の騎士テッカマン』など、1970年代のタツノコSFヒーロー作品の現存する設定を3分冊に収録したものです。
『ガッチャマン』は、続編の『ガッチャマンⅡ』と『ガッチャマンF』まで掲載されています。
ページをめくって、久しぶりに『ガッチャマン』や『キャシャーン』、『ポリマー』、『テッカマン』など、タツノコ黄金期のリアル調作画に熱中していた頃を思い出しました。
吉田竜夫さんの描き出した素晴らしいキャラクター、それを生かした宮本貞雄さん、林政行さん、須田正己さん、二宮常雄さん、塩山紀生さん、井口忠一さん、湖川滋(現・友謙)さんら作画陣。
鳥海尽三さん、陶山智さん、酒井あきよしさんら、人間ドラマを執筆したライター陣。
それぞれの世界観を、造形から色彩まで見事に表現した美術の中村光毅さん。なによりハードな世界とそこに展開する人間たちを描き出した鳥海永行さん、笹川ひろしさん率いる演出陣。鮮やかな色彩でも落ち着いた色指定。洋楽的なBGMなどど。
精鋭のスタッフが集結し描き出した魅力溢れる世界を、毎週楽しみにしていたものです。
本書はA4版ということもあり、それぞれのメイン設定は大きく掲載されています。また『キャシャーン』や『テッカマン』など、各話のキャラや美術設定にもページを割かれているのも注目です。『ポリマー』の、各メカへの転身の設定画は珍しいでしょう。
今回、40年前に疑問だったことを思い出しました。
1冊目の『ガッチャマン』の31ページ下段に掲載された、羽根手裏剣を口にくわえて微笑むジョーの絵です。アニメブーム時かなり劣化したコピーを持っていましたが、ジョーはこんな表情はしないので、これはてっきりファンアートだと思っていました。
公式本に掲載されたのですから、この絵もやはりオフィシャルのものだったのでしょう。
『ガッチャマンF』の鴨技師長や『ガッチャマンⅡ』のDr.ラッフェルの設定はありましたが、残念ながらパンドラ博士の設定は掲載されていません。
これは以前出版された『科学忍者隊マテリアル』(銀河出版)にも載ってなかったのですが、『ガッチャマンⅡ』では彼女も後半の重要なキャラクターでしたから、ぜひ掲載してほしかったところです。
各巻の巻末には、須田正己さん、井口忠一さん、湖川友謙さんのインタビューも掲載されています。脚注で、演出の鳥海永行さんのことを、尽三さんと紹介されているのはご愛嬌でしょう。
設定画だけでなく現存するカラーイラストも掲載されています。作品によっては本編原画も載っており、かつてのタツノコファンにはたまらない一冊でした。

『タツノコデザインアーカイブ 70年代SF編』(玄光社刊)
須田さん、湖川さんたちの吉田竜夫さんへの想いを改めて聞くことが出来るインタビューは必読です。
井口さんの『ガッチャマン』『キャシャーン』時代を振り返られたお話も深いものがありました。

この3冊が箱に入っています。表紙のマークで作品が分かりますね。

『科学忍者隊ガッチャマンⅡ』より、今回掲載されなかったパンドラ博士の設定です。
物語ラスト近くに明かされるゲルサドラとの関係は哀しいもので、印象に残っています。
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