あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その7
- 2020/09/06
- 06:30
■大田加英二デビュー (4)
昭和20年代後半から、描き下ろし単行本の世界で活躍していたマンガ家、「大田加英二」と「高橋一夫」。
ややこしいですが、どちらとも天馬正人さんのペンネームです。
この頃の天馬さんは、時代物の描き下ろし単行本で評価を受けていました。
描き下ろし単行本を出版していた鶴書房や太平洋文庫、金園社、東京漫画出版、富士見出版、そしてトモブックスなど、各社から執筆を依頼される人気マンガ家になっていたのです。
剣劇ものや、偉人もの、少女もの、人情ものなど、時代モノのジャンルであればなんでもござれでした。
その中には、ビクトル・ユーゴーの名作を舞台を日本に移し、時代モノに翻案したという『ああ無情』などもあり、数多くの作品を手掛けていました。
そんな描き下ろし単行本で人気となったマンガ家を、雑誌の編集者も見逃すはずもありません。
当時の雑誌まんがは、学童社の『漫画少年』に連載された手塚治虫さんの『ジャングル大帝』のように、長編作品であってもまだページ数の少ない時代でした。
しかし描き下ろし単行本と違って、雑誌の連載は当時マンガ家にとって憧れの舞台でもありました。発行元も一流の出版社でしたから、雑誌連載は目標のひとつだったのです。
天馬さんも、雑誌連載された手塚治虫さんの『ジャングル大帝』や、馬場のぼるさんの『山から来た河童』などを、憧れを持ちつつ愛読していました。
そして、雑誌から声の掛かった天馬さんは、軽い股旅ものやユーモア時代作品を、『譚海』や秋田書店の『漫画王』などに発表することになりました。(つづく)

大田加英二『とん助とびある記』(秋田書店『漫画王』昭和31年4月号付録)
昭和20年代後半から、描き下ろし単行本の世界で活躍していたマンガ家、「大田加英二」と「高橋一夫」。
ややこしいですが、どちらとも天馬正人さんのペンネームです。
この頃の天馬さんは、時代物の描き下ろし単行本で評価を受けていました。
描き下ろし単行本を出版していた鶴書房や太平洋文庫、金園社、東京漫画出版、富士見出版、そしてトモブックスなど、各社から執筆を依頼される人気マンガ家になっていたのです。
剣劇ものや、偉人もの、少女もの、人情ものなど、時代モノのジャンルであればなんでもござれでした。
その中には、ビクトル・ユーゴーの名作を舞台を日本に移し、時代モノに翻案したという『ああ無情』などもあり、数多くの作品を手掛けていました。
そんな描き下ろし単行本で人気となったマンガ家を、雑誌の編集者も見逃すはずもありません。
当時の雑誌まんがは、学童社の『漫画少年』に連載された手塚治虫さんの『ジャングル大帝』のように、長編作品であってもまだページ数の少ない時代でした。
しかし描き下ろし単行本と違って、雑誌の連載は当時マンガ家にとって憧れの舞台でもありました。発行元も一流の出版社でしたから、雑誌連載は目標のひとつだったのです。
天馬さんも、雑誌連載された手塚治虫さんの『ジャングル大帝』や、馬場のぼるさんの『山から来た河童』などを、憧れを持ちつつ愛読していました。
そして、雑誌から声の掛かった天馬さんは、軽い股旅ものやユーモア時代作品を、『譚海』や秋田書店の『漫画王』などに発表することになりました。(つづく)

大田加英二『とん助とびある記』(秋田書店『漫画王』昭和31年4月号付録)
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:天馬正人伝
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