『がんばれ元気』 祝放映40周年
- 2020/09/09
- 06:30
もう9月に入りましたが、40年前の7月に始まった大事な作品を忘れていました。
1980年(昭和55年)7月16日、テレビ朝日系でスタートした小山ゆうさん原作の『がんばれ元気』(東映動画)です。
『がんばれ元気』は、『少年サンデー』で連載です。『おれは直角』や、『スプリンター』、『おーい竜馬』、『あすみ』などでおなじみの小山ゆうさんのボクシングマンガです。
主人公の幼き時代から父との悲しい死別、そしてプロボクサーになって活躍するまで、その成長の過程を丁寧に描いた名作です。
テレビアニメでは、りん・たろうさんがチーフディレクター、小松原一男さんがキャラクターデザインと作画監督、椋尾篁さんが美術監督という、『宇宙海賊キャプテンハーロック』や、劇場版『銀河鉄道999』のスタッフが集結していました。
雑誌連載では、関拳児戦へのクライマックスを迎えていましたが、アニメではけなげで可愛らしい元気の幼少時代もたっぷりと描かれました。それゆえ悲しい父との別れは、より胸に刺さりました。
スタッフは、それまでSF作品をメインにした方々でしたので、どう描かれるのか気になっていました。ですが、そんな思いは良い意味で裏切られました。
キャラクターもスッキリと優しく描かれ、舞台となった日本の風景も、地方らしさやその落ち着いた空気感まで感じられました。
後に、細く繊細な線で描かれた作画監督の小松原さんの修正を見ました。『がんばれ元気』では、各話作監も立てられていましたが、キャラクターたちのニュアンスなど、微妙な線で表現しておられたことがわかりました
以前の『ゲッターロボ』や『キャプテンハーロック』、劇場版『銀河鉄道999』などの、勢いのある原画も知っていましたので、最初は驚きました。それらは、結構原画を全部描き直す「全修」も多かったのです。
ただ、『がんばれ元気』では、頬のラインや目をちょっと修正するだけの部分修正が増えていました。総作画監督として、全部の原画を見なければならなかったこともあるでしょうが、小松原さんの描く姿勢のようなものもこの作品で変えられたような気もします。
劇場版『999』とその後の『さよなら銀河鉄道999』にも、この描き方の違いは現れています。
後に小松原さんは途中降板され、成長した元気の時代からは、総作監には香西隆男さんが参加されます。『新巨人の星』や『ムーの白鯨』など、端正な劇画調でおなじみだった香西さんの作画も、スマートなタッチでした。
原作全話のアニメ化にはなりませんでしたが、アニメファン的には、小松原さん、香西さん、そして須田正己さんや森利夫さんの作画、また椋尾さんの美術も堪能できた贅沢な作品でした。

『がんばれ元気』原画
小松原一男さんの修正(左上、右下)と香西隆男さんの修正(右上)。
そして須田正己さんの原画(左下)です。
1980年(昭和55年)7月16日、テレビ朝日系でスタートした小山ゆうさん原作の『がんばれ元気』(東映動画)です。
『がんばれ元気』は、『少年サンデー』で連載です。『おれは直角』や、『スプリンター』、『おーい竜馬』、『あすみ』などでおなじみの小山ゆうさんのボクシングマンガです。
主人公の幼き時代から父との悲しい死別、そしてプロボクサーになって活躍するまで、その成長の過程を丁寧に描いた名作です。
テレビアニメでは、りん・たろうさんがチーフディレクター、小松原一男さんがキャラクターデザインと作画監督、椋尾篁さんが美術監督という、『宇宙海賊キャプテンハーロック』や、劇場版『銀河鉄道999』のスタッフが集結していました。
雑誌連載では、関拳児戦へのクライマックスを迎えていましたが、アニメではけなげで可愛らしい元気の幼少時代もたっぷりと描かれました。それゆえ悲しい父との別れは、より胸に刺さりました。
スタッフは、それまでSF作品をメインにした方々でしたので、どう描かれるのか気になっていました。ですが、そんな思いは良い意味で裏切られました。
キャラクターもスッキリと優しく描かれ、舞台となった日本の風景も、地方らしさやその落ち着いた空気感まで感じられました。
後に、細く繊細な線で描かれた作画監督の小松原さんの修正を見ました。『がんばれ元気』では、各話作監も立てられていましたが、キャラクターたちのニュアンスなど、微妙な線で表現しておられたことがわかりました
以前の『ゲッターロボ』や『キャプテンハーロック』、劇場版『銀河鉄道999』などの、勢いのある原画も知っていましたので、最初は驚きました。それらは、結構原画を全部描き直す「全修」も多かったのです。
ただ、『がんばれ元気』では、頬のラインや目をちょっと修正するだけの部分修正が増えていました。総作画監督として、全部の原画を見なければならなかったこともあるでしょうが、小松原さんの描く姿勢のようなものもこの作品で変えられたような気もします。
劇場版『999』とその後の『さよなら銀河鉄道999』にも、この描き方の違いは現れています。
後に小松原さんは途中降板され、成長した元気の時代からは、総作監には香西隆男さんが参加されます。『新巨人の星』や『ムーの白鯨』など、端正な劇画調でおなじみだった香西さんの作画も、スマートなタッチでした。
原作全話のアニメ化にはなりませんでしたが、アニメファン的には、小松原さん、香西さん、そして須田正己さんや森利夫さんの作画、また椋尾さんの美術も堪能できた贅沢な作品でした。

『がんばれ元気』原画
小松原一男さんの修正(左上、右下)と香西隆男さんの修正(右上)。
そして須田正己さんの原画(左下)です。
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