思い出される『科学忍者隊ガッチャマンF』最終回
- 2020/09/19
- 06:30
1980年(昭和55年)8月31日(日曜日)、『科学忍者隊ガッチャマンF(ファイター)』の最終回が放映されました。
『科学忍者隊ガッチャマン』の第1作は、1972年(昭和47年)から2年間放映されました。元マンガ家でタツノコプロ社長だった吉田竜夫さんが、スタッフたちと生み出したオリジナル作品です。
吉田さんは、マンガ家時代からリアルな絵に定評がありました。そして『マッハGOGOGO』や『紅三四郎』、『決断』を経て、『ガッチャマン』で、さらにリアルなキャラクター表現を目指します。
総監督に鳥海永行さんを迎え、作画陣には、須田正己さんや二宮常雄さん、湖川滋(現・友謙)さんなど、実力派のアニメーターが揃います。そして、作画監督として、後に渡米しディズニーに入社することになる、宮本貞雄さんが参加されたのです。
吉田さんご自身も、この作品に情熱を傾けていました。日中は本社で様々な社長の業務をこなしつつ、夜になるとスタジオに戻り、キャラクターのアップなどの原画を自ら修正していたのです。
残念ながら1977年(昭和52年)に吉田さんは逝去されます。その後、79年に笹川ひろしさんが総監督となり、続編の『科学忍者隊ガッチャマンⅡ』がスタートします。
キャラクター設定も今度は宮本さんの絵をベースにしていたので、違和感はさほどありませんでした。第1作でも中盤以降は、吉田さんは原画に修正を入れなくなっていたからです。
『ガッチャマン』は2年続きましたから、絵柄も変わっています。後半のハードになった絵のスタイルを受け継ぐ形で始まったのが、『ガッチャマンⅡ』でした。1作目に比較すると、描線の細さやセル絵の具の鮮やかさなどに、多少違和感を感じたこともありました。
『ガッチャマンⅡ』が一年続いた後、『ガッチャマンF』が始まります。『ガッチャマンF』は、河合静男さんが作画監督となり、宮本さんの太い描線をより推し進めた絵が印象的でした。
物語もよりハードな戦闘が押し出されます。健もハイパーシュートで衰弱していき、南部博士も終盤に壮絶な死を迎えるのです。
最終回では、地球衝突寸前の反物質小惑星に突入し、これを阻止した忍者隊のメンバーの生死が分らないまま終ったこともショックでした。
そんなラストも衝撃的でしたが、それと同時になんとなく感じたのは、タツノコのリアル調作画作品もこれで終わるのではないかということです。残念ながら、その予感は当たったようです。
その後、『タイムボカン 王道復古』や、TVスペシャルの『世紀末伝説ワンダフル タツノコランド』などに科学忍者隊のメンバーは出演しましたが、ファンを魅了したあのタッチではありませんでした。
『ガッチャマンF』とともに、タツノコプロのリアル調作画も終焉を迎えてしまったのかと思うと、改めてあの最終回を感慨深く思い出します。

『科学忍者隊ガッチャマンF』最終回より
南部博士の形見が作動する場面です。

『科学忍者隊ガッチャマンF』最終回より
総裁Zとの死闘で精根尽き果てた健
『科学忍者隊ガッチャマン』の第1作は、1972年(昭和47年)から2年間放映されました。元マンガ家でタツノコプロ社長だった吉田竜夫さんが、スタッフたちと生み出したオリジナル作品です。
吉田さんは、マンガ家時代からリアルな絵に定評がありました。そして『マッハGOGOGO』や『紅三四郎』、『決断』を経て、『ガッチャマン』で、さらにリアルなキャラクター表現を目指します。
総監督に鳥海永行さんを迎え、作画陣には、須田正己さんや二宮常雄さん、湖川滋(現・友謙)さんなど、実力派のアニメーターが揃います。そして、作画監督として、後に渡米しディズニーに入社することになる、宮本貞雄さんが参加されたのです。
吉田さんご自身も、この作品に情熱を傾けていました。日中は本社で様々な社長の業務をこなしつつ、夜になるとスタジオに戻り、キャラクターのアップなどの原画を自ら修正していたのです。
残念ながら1977年(昭和52年)に吉田さんは逝去されます。その後、79年に笹川ひろしさんが総監督となり、続編の『科学忍者隊ガッチャマンⅡ』がスタートします。
キャラクター設定も今度は宮本さんの絵をベースにしていたので、違和感はさほどありませんでした。第1作でも中盤以降は、吉田さんは原画に修正を入れなくなっていたからです。
『ガッチャマン』は2年続きましたから、絵柄も変わっています。後半のハードになった絵のスタイルを受け継ぐ形で始まったのが、『ガッチャマンⅡ』でした。1作目に比較すると、描線の細さやセル絵の具の鮮やかさなどに、多少違和感を感じたこともありました。
『ガッチャマンⅡ』が一年続いた後、『ガッチャマンF』が始まります。『ガッチャマンF』は、河合静男さんが作画監督となり、宮本さんの太い描線をより推し進めた絵が印象的でした。
物語もよりハードな戦闘が押し出されます。健もハイパーシュートで衰弱していき、南部博士も終盤に壮絶な死を迎えるのです。
最終回では、地球衝突寸前の反物質小惑星に突入し、これを阻止した忍者隊のメンバーの生死が分らないまま終ったこともショックでした。
そんなラストも衝撃的でしたが、それと同時になんとなく感じたのは、タツノコのリアル調作画作品もこれで終わるのではないかということです。残念ながら、その予感は当たったようです。
その後、『タイムボカン 王道復古』や、TVスペシャルの『世紀末伝説ワンダフル タツノコランド』などに科学忍者隊のメンバーは出演しましたが、ファンを魅了したあのタッチではありませんでした。
『ガッチャマンF』とともに、タツノコプロのリアル調作画も終焉を迎えてしまったのかと思うと、改めてあの最終回を感慨深く思い出します。

『科学忍者隊ガッチャマンF』最終回より
南部博士の形見が作動する場面です。

『科学忍者隊ガッチャマンF』最終回より
総裁Zとの死闘で精根尽き果てた健
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