あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その10
- 2020/09/27
- 06:30
■「天馬正人」誕生 (2)
昭和32年、あかしや書房の「江戸川乱歩漫画全集」にて新たなペンネーム「天馬正人」として描き下ろした『少年探偵 魔法博士』。
当時人気作家だった、江戸川乱歩の『怪人20面相』シリーズのマンガ版です。売れ行きもかなり良く、他社の編集者たちも絵柄や作風を見て、これは大田加英二さんだとすぐ分かったようです。
それまで天馬さんは、「大田加英二」の名義で時代物をメインに描いていました。
ですが、昭和三十年代に入ると敗戦後の復興も進みマンガの世界も手塚治虫さんの作品のように、SFや冒険科学マンガが人気となっていました。
『少年探偵 魔法博士』がよほど好評だったのでしょう。天馬さんのもとには、当時としてはまだ珍しかったサスペンス志向の作品の打診が来ることになりました。
雑誌でも、子どもたちに人気の新しい科学冒険マンガを描ける、マンガ家を探していました。
そんな中で『少年探偵 魔法博士』は、講談社の老舗月刊誌『少年クラブ』編集部の目にもとまります。
時代ものを得意としていた「大田加英二」としてではなく、新しいスリラーSFものを天馬正人で、と連載を打診してきたのです。
戦前の『少年倶楽部』から続いている老舗誌からの依頼です。天馬さんも少年時代にはとても毎月購入することは出来ませんでしたが、知り合いの家のバックナンバーや、友人から借りて慣れ親しんできた雑誌です。同誌からの依頼は、願ってもないことでした。
そして、昭和33年(1958年)の新年号から連載を開始したのが、当時はまだ珍しかったSF作品『地球征服団』でした。
都会のビル街を傍若無人に飛び回る謎の怪ロケットの謎に、主人公が迫るという斬新な内容です。
この作品では、ビル街を破壊するロケットの迫力溢れるコマ画も注目されました。(つづく)

少年クラブ』(講談社)昭和33年3月号付録『地球征服団』
昭和32年、あかしや書房の「江戸川乱歩漫画全集」にて新たなペンネーム「天馬正人」として描き下ろした『少年探偵 魔法博士』。
当時人気作家だった、江戸川乱歩の『怪人20面相』シリーズのマンガ版です。売れ行きもかなり良く、他社の編集者たちも絵柄や作風を見て、これは大田加英二さんだとすぐ分かったようです。
それまで天馬さんは、「大田加英二」の名義で時代物をメインに描いていました。
ですが、昭和三十年代に入ると敗戦後の復興も進みマンガの世界も手塚治虫さんの作品のように、SFや冒険科学マンガが人気となっていました。
『少年探偵 魔法博士』がよほど好評だったのでしょう。天馬さんのもとには、当時としてはまだ珍しかったサスペンス志向の作品の打診が来ることになりました。
雑誌でも、子どもたちに人気の新しい科学冒険マンガを描ける、マンガ家を探していました。
そんな中で『少年探偵 魔法博士』は、講談社の老舗月刊誌『少年クラブ』編集部の目にもとまります。
時代ものを得意としていた「大田加英二」としてではなく、新しいスリラーSFものを天馬正人で、と連載を打診してきたのです。
戦前の『少年倶楽部』から続いている老舗誌からの依頼です。天馬さんも少年時代にはとても毎月購入することは出来ませんでしたが、知り合いの家のバックナンバーや、友人から借りて慣れ親しんできた雑誌です。同誌からの依頼は、願ってもないことでした。
そして、昭和33年(1958年)の新年号から連載を開始したのが、当時はまだ珍しかったSF作品『地球征服団』でした。
都会のビル街を傍若無人に飛び回る謎の怪ロケットの謎に、主人公が迫るという斬新な内容です。
この作品では、ビル街を破壊するロケットの迫力溢れるコマ画も注目されました。(つづく)

少年クラブ』(講談社)昭和33年3月号付録『地球征服団』
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:天馬正人伝
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