日本テレビ版 『鉄腕アトム』 祝放映40周年
- 2020/10/03
- 06:30
1980年(昭和55年)10月1日、日本テレビ系でカラーリメイク版の『鉄腕アトム』(原作/手塚治虫)が始まりました。
初の30分連続国産テレビアニメとなった最初の『鉄腕アトム』は、1966年12月31日に最終回を迎えました。
製作会社である虫プロダクションは1973年に倒産し、莫大な負債を負った手塚さんが、久しぶりにテレビシリーズの制作に復帰したのがこのリメイク版『アトム』です。
虫プロ版『アトム』には、坂本雄作さんや杉井ギサブローさん、山本映一さん、勝井千賀雄さん、りん・たろうさん、出崎統さん、富野喜幸さんなど、そうそうたるメンバーが参加していました。
日本初のテレビシリーズですから、初めてのことばかりで試行錯誤の連続だったでしょうが、そこから以降に連なるテレビアニメの源流が生まれたのです。
手塚さんも『鉄腕アトム』は自身の作品という思いを強くお持ちだったようです。何本もの雑誌連載で多忙を極めるなか、脚本や絵コンテ、時には自ら作画されるほどの熱の入れ様でした。
虫プロの倒産からいったんはアニメの世界から離れられましたが、1978年のテレビスペシャル『100万年地球の旅 バンダーブック』で、テレビアニメの製作に戻られます。
そして、1979年の『マリンエクスプレス』、1980年の『フウムーン』を経て、念願だった『鉄腕アトム』のリメイク版に取りかかったのです。
監督には、虫プロ版『鉄腕アトム』で、大西プロ回の作画・演出に参加していた石黒昇さんが就かれます。作画監督には、正延宏三さん、西村緋録司さん、森田浩光さんたち。そして美術監督は石津節子さんと、かつての虫プロ出身のスタッフがメインとなりました。
ディスコ調の軽快なアレンジのオープニングは、手塚さんご自身が絵コンテを起こされたものです。
少々可愛くなったアトムくんや、水彩調の透明感のある背景美術、落ち着いたセルの色指定と、手塚さんの描かれるマンガに近いイメージでした。
生前、石黒さんにお聞きしたところ、前作とは違い、手塚さんも任せるところは任せてくれたそうです。もちろん、気になるカットは自分で描くとおっしゃったりはしましたが、スケジュールもそれなりに考えてくれたとのことでした。
元々マンガ家出身で、『火の鳥2772』にも参加した石黒さんを信頼されていたからでしょう。
ライバルとして登場したアトラスの連続回や最終回のニョーカなど、印象的なエピソードもありました。アトムも前作に比べちょっと幼くなっており、素直で子どもらしくなっていました。
健気で人間味溢れるアトム君を、応援したくなる作品でした。

日本テレビ版『鉄腕アトム』(手塚プロ)
初の30分連続国産テレビアニメとなった最初の『鉄腕アトム』は、1966年12月31日に最終回を迎えました。
製作会社である虫プロダクションは1973年に倒産し、莫大な負債を負った手塚さんが、久しぶりにテレビシリーズの制作に復帰したのがこのリメイク版『アトム』です。
虫プロ版『アトム』には、坂本雄作さんや杉井ギサブローさん、山本映一さん、勝井千賀雄さん、りん・たろうさん、出崎統さん、富野喜幸さんなど、そうそうたるメンバーが参加していました。
日本初のテレビシリーズですから、初めてのことばかりで試行錯誤の連続だったでしょうが、そこから以降に連なるテレビアニメの源流が生まれたのです。
手塚さんも『鉄腕アトム』は自身の作品という思いを強くお持ちだったようです。何本もの雑誌連載で多忙を極めるなか、脚本や絵コンテ、時には自ら作画されるほどの熱の入れ様でした。
虫プロの倒産からいったんはアニメの世界から離れられましたが、1978年のテレビスペシャル『100万年地球の旅 バンダーブック』で、テレビアニメの製作に戻られます。
そして、1979年の『マリンエクスプレス』、1980年の『フウムーン』を経て、念願だった『鉄腕アトム』のリメイク版に取りかかったのです。
監督には、虫プロ版『鉄腕アトム』で、大西プロ回の作画・演出に参加していた石黒昇さんが就かれます。作画監督には、正延宏三さん、西村緋録司さん、森田浩光さんたち。そして美術監督は石津節子さんと、かつての虫プロ出身のスタッフがメインとなりました。
ディスコ調の軽快なアレンジのオープニングは、手塚さんご自身が絵コンテを起こされたものです。
少々可愛くなったアトムくんや、水彩調の透明感のある背景美術、落ち着いたセルの色指定と、手塚さんの描かれるマンガに近いイメージでした。
生前、石黒さんにお聞きしたところ、前作とは違い、手塚さんも任せるところは任せてくれたそうです。もちろん、気になるカットは自分で描くとおっしゃったりはしましたが、スケジュールもそれなりに考えてくれたとのことでした。
元々マンガ家出身で、『火の鳥2772』にも参加した石黒さんを信頼されていたからでしょう。
ライバルとして登場したアトラスの連続回や最終回のニョーカなど、印象的なエピソードもありました。アトムも前作に比べちょっと幼くなっており、素直で子どもらしくなっていました。
健気で人間味溢れるアトム君を、応援したくなる作品でした。

日本テレビ版『鉄腕アトム』(手塚プロ)
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