あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その11
- 2020/10/04
- 06:30
■天馬正人誕生 (3)
『少年クラブ』に連載されたSFスリラーもの『地球制服団』は、短期連載という当初の予定どおり5ヶ月で終了しました。都会のビル街を飛び回り破壊するロケットの描写など、好評だったようです。
元々、海野十三の『浮かぶ飛行島』や『太平洋魔城』など、戦前には空想科学冒険小説が同誌では人気でした。読者にも、SFものを受け入る土壌はあったのでしょう。
この当時、スリラーものやSFもののジャンルを描けるマンガ家は、まだ限られていました。この『地球制服団』の連載を見たほかの雑誌や描き下ろし出版社からも、天馬さんのもとに依頼が増すようになります。
同年、秋田書店の人気月刊誌『冒険王』12月号には、天馬さんによる『妖怪少年』が、付録として付きます。これは32ページの読みきりでした。
科学者やスポーツマンなど7つの優れた脳を移植された怪少年と、それを追う本宮少年の対決です。
こちらも鉄道を走る蒸気機関車が飛んだり、ビルがまるごと浮き上がったりという怪現象が描かれる、空想科学スリラーでした。
『冒険王』では翌年、当時テレビでも人気だった『怪傑黒頭巾』(原作/高垣葵)を連載することになったのも、この『妖怪少年』の人気が高かったこともあったのではないでしょうか。
そして、「江戸川乱歩漫画全集」を刊行していた、あかしや書房からも描き下ろし単行本でスリラーものの『黒豹の怪人』と、その続編『宇宙魔人』。
富士見出版社では人気映画『スーパージャイアンツ』(原作/宮川一郎)や人気テレビ番組だった『遊星王子』(原作/伊上勝)などの描き下ろし単行本を、次々に手掛けていきました。
「江戸川乱歩漫画全集」でも、2作目の執筆依頼が入り『妖人コング』を出版しています。(つづく)

『妖怪少年』 (秋田書店『冒険王』昭和33年12月号付録)
『少年クラブ』に連載されたSFスリラーもの『地球制服団』は、短期連載という当初の予定どおり5ヶ月で終了しました。都会のビル街を飛び回り破壊するロケットの描写など、好評だったようです。
元々、海野十三の『浮かぶ飛行島』や『太平洋魔城』など、戦前には空想科学冒険小説が同誌では人気でした。読者にも、SFものを受け入る土壌はあったのでしょう。
この当時、スリラーものやSFもののジャンルを描けるマンガ家は、まだ限られていました。この『地球制服団』の連載を見たほかの雑誌や描き下ろし出版社からも、天馬さんのもとに依頼が増すようになります。
同年、秋田書店の人気月刊誌『冒険王』12月号には、天馬さんによる『妖怪少年』が、付録として付きます。これは32ページの読みきりでした。
科学者やスポーツマンなど7つの優れた脳を移植された怪少年と、それを追う本宮少年の対決です。
こちらも鉄道を走る蒸気機関車が飛んだり、ビルがまるごと浮き上がったりという怪現象が描かれる、空想科学スリラーでした。
『冒険王』では翌年、当時テレビでも人気だった『怪傑黒頭巾』(原作/高垣葵)を連載することになったのも、この『妖怪少年』の人気が高かったこともあったのではないでしょうか。
そして、「江戸川乱歩漫画全集」を刊行していた、あかしや書房からも描き下ろし単行本でスリラーものの『黒豹の怪人』と、その続編『宇宙魔人』。
富士見出版社では人気映画『スーパージャイアンツ』(原作/宮川一郎)や人気テレビ番組だった『遊星王子』(原作/伊上勝)などの描き下ろし単行本を、次々に手掛けていきました。
「江戸川乱歩漫画全集」でも、2作目の執筆依頼が入り『妖人コング』を出版しています。(つづく)

『妖怪少年』 (秋田書店『冒険王』昭和33年12月号付録)
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:天馬正人伝
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