あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その18
- 2020/11/22
- 06:30
■「かみくずおやこ」 (1)
たつみ勝丸名義で『少年クラブ』に連載を始めた『かみくずおやこ』は、他の作品に比べ当時としても地味な作風です。
格好いいヒーローが登場する冒険活劇ではなく、アクの強いギャグでもありません。楽しいユーモアが基本になった、善人ゆえのキャラクターたちが巻き起こす「明朗おとぼけまんが」でした。
どちらかというと、天馬さんが以前からお好きだった馬場のぼるさんの影響もあるかもしれません。
『山から来た河童』や、『ポストくん』など、素朴で温もりのある馬場さんの作風は、天馬さんも憧れていました。
ただ当時は、既にスピード感や迫力など刺激のあるマンガが主流となり、このようなゆったりとした作品は、もう時代遅れになっていたかもしれません。
そのため、連載当初は読者から反響もさほどなかったそうです。
もう一方の連載作品は、冒険活劇マンガ『ジャガーの目』(原作/高垣眸)でしたから、テレビの人気もありそちらの方が話題でした。
同業者や他の編集者からも、「なぜあんな作品を描くのか。もっと人気の出る派手な作品を描けばいいのに」、などと心配する言葉もありました。
ですが、天馬さんの思いを理解してくれた『少年クラブ』編集部の支えもあり、地道に連載を続けました。
それまでの作風とガラリと変えたこともあり、天馬さんご自身もかなり悩みながら試行錯誤して執筆に向かっていました。
一度はペン入れまでし終った原稿を、どうしても納得がいかない、と最初から描き直したこともあったくらいです。(つづく)

『かみくずおやこ』扉絵
たつみ勝丸名義で『少年クラブ』に連載を始めた『かみくずおやこ』は、他の作品に比べ当時としても地味な作風です。
格好いいヒーローが登場する冒険活劇ではなく、アクの強いギャグでもありません。楽しいユーモアが基本になった、善人ゆえのキャラクターたちが巻き起こす「明朗おとぼけまんが」でした。
どちらかというと、天馬さんが以前からお好きだった馬場のぼるさんの影響もあるかもしれません。
『山から来た河童』や、『ポストくん』など、素朴で温もりのある馬場さんの作風は、天馬さんも憧れていました。
ただ当時は、既にスピード感や迫力など刺激のあるマンガが主流となり、このようなゆったりとした作品は、もう時代遅れになっていたかもしれません。
そのため、連載当初は読者から反響もさほどなかったそうです。
もう一方の連載作品は、冒険活劇マンガ『ジャガーの目』(原作/高垣眸)でしたから、テレビの人気もありそちらの方が話題でした。
同業者や他の編集者からも、「なぜあんな作品を描くのか。もっと人気の出る派手な作品を描けばいいのに」、などと心配する言葉もありました。
ですが、天馬さんの思いを理解してくれた『少年クラブ』編集部の支えもあり、地道に連載を続けました。
それまでの作風とガラリと変えたこともあり、天馬さんご自身もかなり悩みながら試行錯誤して執筆に向かっていました。
一度はペン入れまでし終った原稿を、どうしても納得がいかない、と最初から描き直したこともあったくらいです。(つづく)

『かみくずおやこ』扉絵
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:天馬正人伝
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