あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その19
- 2020/11/29
- 06:30
■「かみくずおやこ」 (2)
天馬正人さんが1960年(昭和35年)『少年クラブ』10月号から、たつみ勝丸名義で続けていた連載まんが『かみくずおやこ』。
そのうち天馬さんの思いが通じたのか、少年読者から感想や応援のハガキが少しずつ届き始めます。拙い文字で書かれた、源さんやごろちゃんへのメッセージが、とても励みになったと、天馬さんは後に語ってくれました。
もちろん、天馬さんも嬉しいのでなるべく返事を出すようにしていました。
中には、ごろちゃん宛てのハガキに、まるで実際の友だちのように思って書いてくれたファンレターもあったそうです。
天馬さんはそんな読者からのファンレターを、マンガ家として筆を折った以降も大切にしておられました。
そして同業者から、というよりもマンガ界のトップである手塚治虫さんからも、ある時手紙が届いたのです。
「このようなマンガは自分には描けない。どうか頑張って続けてください」という内容だったそうです。
思えば、『漫画少年』の『ジャングル大帝』から憧れてきた手塚さんです。
多数の連載を抱え多忙な中、自作を読んでくれているだけでもうれしいことです。そのうえ、わざわざ激励のハガキまで出していただき、
「この作品は間違っていない。自分はこの『かみくずおやこ』を、出来る限り描き続けていこう」
そんな思いを、天馬さんは改めて強くしたのです。(つづく)

『かみくずおやこ』連載当時寄せられた読者からのハガキ
天馬正人さんが1960年(昭和35年)『少年クラブ』10月号から、たつみ勝丸名義で続けていた連載まんが『かみくずおやこ』。
そのうち天馬さんの思いが通じたのか、少年読者から感想や応援のハガキが少しずつ届き始めます。拙い文字で書かれた、源さんやごろちゃんへのメッセージが、とても励みになったと、天馬さんは後に語ってくれました。
もちろん、天馬さんも嬉しいのでなるべく返事を出すようにしていました。
中には、ごろちゃん宛てのハガキに、まるで実際の友だちのように思って書いてくれたファンレターもあったそうです。
天馬さんはそんな読者からのファンレターを、マンガ家として筆を折った以降も大切にしておられました。
そして同業者から、というよりもマンガ界のトップである手塚治虫さんからも、ある時手紙が届いたのです。
「このようなマンガは自分には描けない。どうか頑張って続けてください」という内容だったそうです。
思えば、『漫画少年』の『ジャングル大帝』から憧れてきた手塚さんです。
多数の連載を抱え多忙な中、自作を読んでくれているだけでもうれしいことです。そのうえ、わざわざ激励のハガキまで出していただき、
「この作品は間違っていない。自分はこの『かみくずおやこ』を、出来る限り描き続けていこう」
そんな思いを、天馬さんは改めて強くしたのです。(つづく)

『かみくずおやこ』連載当時寄せられた読者からのハガキ
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:天馬正人伝
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