金子勲さんインタビュー掲載『まんだらけZENBU』101号
- 2020/12/19
- 06:30
『まんだらけZENBU 101号』が、12月に発売されました。
巻頭特集は、『キャンディキャンディ』(原作/水木杏子 画/いがらしゆみこ)です。
連載時の『なかよし』からコミックス、ドール、様々なグッズなどが、135ページまでに渡って掲載されています。いがらしさんによる連載時の華麗なカラー扉絵など、数々の原画は圧巻でした。
そして「ジャンプ黄金時」と題した、『少年ジャンプ』作品特集です。『北斗の拳』や『聖闘士星矢』『ドラゴンボール』、『Dr.SLUMP アラレちゃん』『キン肉マン』『キャプテン翼』、『キャッツアイ』など数々の人気作のセル画から台本、フィギュア、グッズなどが掲載されています。
巻末からの特集は、日の丸文庫『影』の兄弟誌『オッス!!』です。
この青春マンガ短編誌には、水島新司さんや山本まさはるさん、梅本さちおさん、篠原とおるさん、影丸譲也さん、そして本宮ひろ志さん、山上竜彦さんなども執筆していました。
興味深いのは、オッス君という共通キャラクターを主人公に、各マンガ家が連作するシリーズです。ベレー帽にマフラーのオッス君を主人公にそれぞれが描く試みは、この時代らしい楽しい企画です。
今号の「アニメーション・インタビュー」に登場されたのは、TCJ(現・エイケン)出身のベテランアニメーター、金子勲さんです。
金子さんは、初代『鉄人28号』からキャリアをスタートされ、『宇宙少年ソラン』、『遊星仮面』、『サスケ』、『おんぶおばけ』、『冒険コロボックル』など、様々な作品を描かれました。
フリーになられた後も、『タッチ』、『銀牙 流れ星銀』、『パーマン』、『名探偵コナン』、『犬夜叉』、『ドラえもん』など、数多くの作品に参加してこられました。現在も『サザエさん』などの作画を担当する現役なのです。
テレビアニメ創世記の『鉄人28号』を制作中のTCJでは、原画・動画の区別がなく、レイアウトを一枚渡されて、そのカット担当のアニメーターが最初から最後まで描いていたそうです。
また、「つけPAN」の技術は、他社作品でアルバイトしていた同僚のアニメーターがTCJに持ち込んだ、などと、いろいろと興味深いお話をしていただきました。
連載では、成瀬正祐さんの『護美之園』は毎回楽しみです。いつもの単行本の紹介のほかに、毎回近況をで書いておられるのですが、今回はコロナウイルス禍での思いを真っ直ぐに明かされています。
また連載コラムでは、コレクターにとっての蔵書の意味を、東京大空襲で貴重な蔵書を失われてしまったお祖父様のエピソードを紹介しつつ問うておられます。
他にも、初期てんとうむしコミックスや雑誌、原画、セル、そしてグッズなどで、今回も盛りだくさんの内容でした。
『まんだらけZENBU 101号』(まんだらけ出版部刊)
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