小田部羊一さんの『「アルプスの少女ハイジ」の世界展』
- 2020/12/20
- 06:30
『アルプスの少女ハイジ』や『母をたずねて三千里』、『パンダコパンダ』、『龍の子太郎』などのキャラクターデザイン・作画監督を手掛けられた小田部羊一さんの新作絵画展が、丸善丸の内本店4階ギャラリーで開かれています。
「小田部羊一が描く『アルプスの少女ハイジ』の世界展」というタイトルで、会期は12月17日から24日までです。
小田部さんの新作絵画展は、4年ぶりになるそうです。
その間、2017年には大病を患われ5ヶ月もの長期入院。退院後は、NHKとの打ち合わせに入られます。
2019年に放送された奥様・奥山玲子さんをモデルにした朝ドラ『なつぞら』への協力でした。
それに続き、スイスのチューリッヒでは『ハイジ展』が行われ、マイエンフェルトにも再訪されておられます。
現地では、「ハイジ・ミュージアム」が開設され、世界各国のファンが訪れているのをご覧になられました。
きっと、世界中のファンから『ハイジ』が愛されていることを、実感されたのではないでしょうか。
会場には小田部さんの『ハイジ』の新作のほかに、奥山玲子さんの銅版画も11点が展示されていました。奥山さんの銅版画は、繊細ながらも力強さも感じられ見るものに迫る作品でした。
今回展示されていたのは43点の新作です。色紙サイズからA5サイズの作品がメインですが、どれも淡い水彩で描かれ、『アルプスの少女ハイジ』の劇中の名場面などが、素敵でした。
西洋を舞台にした『ハイジ』ですが、小田部さんの絵からは、どこか日本画風の落ち着いた雰囲気も感じられ、改めて日本のスタッフが作った作品だったことも誇らしく思えました。
小さい色紙サイズには、それぞれのハイジやクララなど、各キャラクターも描かれていましたが、ロッテンマイヤーさんまでもいたことには驚きました。
シリーズ全話の作画監督を全うされた小田部さんですから、それぞれのキャラクターすべてに思い入れもあるのでしょう。
私は、土曜午前に訪れたのですが、すでに半数以上の作品に売約済みのシールが貼られていました。
現在も優しく暖かな『ハイジ』の世界を描き出される小田部さんに、これからもお元気に描き続けていただきたいと思いました。
「小田部羊一が描く『アルプスの少女ハイジ』の世界展」案内状
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