もりやすじ作品展「もぐらの童画部屋」
- 2021/01/24
- 06:30
1月20日から吉祥寺の一日で行われている「もりやすじ作品展『もぐらの童画部屋』」に行ってきました。
昨年4月にアニドウより刊行された、もりやすじさんの4冊目になる画集、『もぐらのアトリエ』の出版を記念して開かれたものです。
元々、刊行に合わせて昨年4月に展示を予定していたのですが、コロナ禍の状況で延期になっていたそうです。
1月に緊急事態宣言が出されるなど、まだ厳しい状況は続いていますが、見る人たちを穏やかな気持ちにさせてくれるもりさんの原画の展示がこの時期に行われるのはうれしいことです。
今年は、もりさんの没後29年を迎えます。アニメーションだけでなく、昭和20年代から幼年誌や絵本などでも、もりさんは素敵な絵を描いていらっしゃいました。
残念ながら当時は、まだ原稿の取り扱いのシステムなどがしっかりしておらず、もりさんには画稿の返却がされていなかったようです。
ですが、森家に残されていた本や、アニドウのなみきさんがオークションサイトなどで集められた出版物など印刷物を元に、デジタル処理でもりさんの絵は復元されました。
画集『もぐらのアトリエ』には、『漫画少年』に掲載された絵物語から、小学館の『幼稚園』、『小学一年生』、『小学二年生』『小学三年生』に掲載されたイラストや漫画、絵物語。
昭和30年代に集英社『こばと』に掲載された絵物語『いたずらぴーぽ』、そして紙芝居や絵本なども多数収録されています。
この中から絵本の表紙絵などを選んで、今回の会場には27点が展示されていました。
展示物は原画自体ではありませんでしたが、もりさんが彩色まで手掛けた絵はどれも愛らしいキャラクターが描かれ、印刷物でもその暖かみは伝わってきました。
個人的には、『小学一年生』昭和31年正月号付録の「どうようすごろく」が魅力的でした。「ちょうちょ」や、「おさるのかごや」、「おもちゃのまあち」、「うさぎのだんす」など、各コマに童謡をモチーフにしたイラストが描かれているのです。
これを、もっと大きなサイズで見たいとも思いました。
まだまだ、厳しい状況は続いています。ですが、もりさんが描かれた絵に接して、暖かく穏やかな気持ちになれました。
素敵な展示は、1月31日(日)まで行われています。
「もりやすじ作品展『もぐらの童画部屋』
―アニメーションの神様が描いた無類の童画を印刷物から」案内ハガキ
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