『ヤットデタマン』 祝 放映４０周年

　１９８１年（昭和５６年）２月７日（土曜）、フジテレビ系で、「タイムボカンシリーズ」『ヤットデタマン』の放映がスタートしました。
　今年で４０周年を迎えます。

　『ヤットデタマン』は、「タイムボカンシリーズ」の第５作です。善側と悪役三人のフォーマットは変わりません。
　今回は未来の国からカレン姫が訪れ、遠山探偵事務所の助手・ワタルに、ヤットデタマンに変身する力を与えます。そして、同じく未来の国からやってきたミレンジョ姫たち三人組と、王位継承のジュジャク争奪戦を繰り広げることになるのです。

　探偵事務所に勤務するヘッポコ助手がヒーローに変身するといえば、『破裏拳ポリマー』も思い出します。
　ワタルが変身の３秒間の間に、タイムハヤウマが登場し、「ユウキ、ユウキ」と唱える間に、着替えだけでなく、ヒーローになるための教育や訓練が行われるなど、劇中で明かされた設定も楽しくもなんとなく納得できるものでした。

　この作品では初めて巨大ロボットが登場したのですが、さすが「ボカンシリーズ」で通常のロボットもののように一筋縄には参りません。
　大巨人は巨大ロボットらしくメカニック同士の戦闘シーンもあるのですが、最後は三悪人の反省を見て「罪を憎んで人を憎まず」と、人間臭くいったんは許すのです。
　ただ、反省も形だけでつい本音を漏らしてしまう三悪人の声を聞いてしまい、結局最後は必殺技「大激怒」で懲らしめることになります。

　前作『オタスケマン』でイケメンキャラだったゲキガスキーの役割は、今作では未来からミレンジョ姫を追いかけてくるドンファンファン伯爵になります。

　また、ミレンジョ姫が王位につけようとする弟役として登場したコマロも、こまっしゃくれて個性的なキャラクターでした。コマロが持っているシリアスモードのお面も、小道具として生きていました。
　通常の三悪人のフォーマットに本作ではコマロが加わった形ですが、しっかり馴染んでいたのはさすがでした。

　これだけたくさんの設定を盛り込みながら、様々なエピソードを毎回テンポ良く見せてくれたのですから、毎週見るのが楽しみな作品でした。


『ヤットデタマン』