『悪魔くん』新作アニメで復活

３月７日「水木しげる生誕１００年記念プロジェクト」が発表されました。そして、『悪魔くん』の新作アニメシリーズと、劇場版『ゲゲゲの鬼太郎』の制作が決定したそうです。
　
　『悪魔くん』は、『墓場鬼太郎』や『河童の三平』とならんで、水木さんが貸本時代から描かれた代表作のひとつです。
　貸本時代の描き下ろし単行本から、『少年マガジン』連載、『少年ジャンプ』での『悪魔くん　千年王国』など、いろいろなバージョンがあります。私も、後にサラ文庫（二見書房）の復刻で貸本版のオリジナルを読むことが出来、そのすごさに衝撃を受けたことを覚えています。

　映像化も、古くからのファンにはまず実写版が懐かしいでしょう。１９６６年（昭和４１年）１０月から６７年３月まで放映された東映制作のテレビドラマです。
　主役の山田真吾は、金子光伸さん、そして弟メフィスト役は潮健児さんでした。モノクロ時代の特撮ドラマでしたが、不気味に動くマネキンが出てきた回の怖さなどは今でも覚えています。

　そして、１９８９年（平成元年）４月から始まったのがアニメ版『悪魔くん』でした。
　主役は埋れ木真吾くんです。ひょんなことから出会った百目に連れられて訪れた見えない学校で、ファウスト博士に出会います。そしてメフィスト２世ら十二使徒たちと、人間界を襲う悪い悪魔たちと戦うことになるのです。

　せっかく魔方陣で呼び出したメフィストが老いて腰痛持ちということで、その子のメフィスト２世が登場したりと、アニメ版ならではの設定も楽しいものでした。

　家獣や、百目、幽子、赤・青ピクシー、ヨナルデ、サシペレレ、ユルグ、象人、こうもり猫など、１２使徒たちもそれぞれ個性的でした。特に鳥乙女ナスカは、当時の水木作品には珍しい美少女キャラでしたので人気がありました。

　今度の新作では、アニメ版「悪魔くん」こと埋れ木真吾くんも登場しますが、主役は二代目に変わるようです。おなじみの12使徒たちも出てくれるのでしょうか。
　とにかく最近まで放映された『ゲゲゲの鬼太郎』に次いで、『悪魔くん』も復活することはうれしいニュースです。

　今の時代に生きる子どもたちも、この新作で水木しげるさんの世界に触れることができるでしょう。
　これをきっかけに、深みのある様々な水木作品にも興味を持ってもらえればと思っています。


１９９０年版アニメ『悪魔くん』原画
ピクシーもいいキャラでした。懐かしいですね。　


アニメ『悪魔くん』原画　その2
象人、百目、幽子、こうもり猫、ヨナルデパズトーリです。