久松文雄さんに感謝
- 2021/04/21
- 06:30
『スーパージェッター』や『冒険ガボテン島』でおなじみのマンガ家、久松文雄さんが4月16日亡くなられました。77歳でした。
久松さんは、1943年(昭和18年)4月24日生まれです。デビューは早く、中学三年生の15歳の時に出された描き下ろし単行本『地球危うし!』でした。
そして名古屋から上京し、月刊誌『冒険王』などに連載を持つ、人気マンガ家となりました。
1964年(昭和39年)には、白土三平さん原作『風のフジ丸』のマンガ版を執筆されています。当時のアニメーターには白土さんの絵を再現するのが難しく、子どもに馴染みやすい絵柄として、久松さんが指名されたそうです。
久松作品のアニメといえば、誰もが思い浮かべるのが1965年(昭和40年)にTBS系で放映された『スーパージェッター』でしょう。
未来からやってきたタイムパトロールのジェッターは、爽やかで魅力的な少年でした。また、テレビアニメ『冒険ガボテン島』の子どもたちも、忘れられません。
久松さんが描き出すキャラクターは、いつも明るく理知的で気品がありました。チャーミングでセンスのいい絵柄には暗い陰も感じられず、まさに当時の少年マンガに求められた明朗快活な主人公像でした。
以前、『スーパージェッター』や『冒険ガボテン島』の頃は連載で忙しかったのに、しょっちゅうTCJ(現エイケン)のスタジオに通っていたとおっしゃっていました。スタジオでは、アップなどアニメの原画も頼まれて描いていたそうです。
久松さんは、プロデビューも早く学生時代の仲間もいません。ですから、若いアニメーターがたくさんいたスタジオは、同世代と交流できる楽しい場所だったのかもしれません。
その後『帰ってきたウルトラマン』や、『ウルトラマンA』、そして『UFO戦士ダイアポロン』、『恐竜探検隊ボーンフリー』、『ヤッターマン』など、様々なテレビ作品のコミカライズも手掛けらています。そのソフトな絵柄で、各編集部にも定評があったのでしょう。
80年代以降は、『史記』や『諸葛孔明』、『春日局』、『古事記』など、歴史を題材にした青年向け作品も多数手掛けられました。
私は、1968年『なかよし』連載の『冒険少女ミス・ワンダー』も好きな作品でした。何かの機会にそのことをお話すると、何年か経って突然、カラーイラストをお送りいただいたことがあります。単に好きだと話したことをちゃんと覚えていて、わざわざ描きおろしてくださった優しさは、忘れられません。
そんなお人柄の方だったからこそ、作品からも優しい雰囲気が伝わってきたのでしょう。
これまで思い出に残る数々の素敵な作品を描いてくださった久松文雄さんに、感謝いたします。

久松文雄さんのイラスト『スーパージェッター』
折にふれ、「描くついでがあったから」と、お送りいただいていました。
久松さんは、1943年(昭和18年)4月24日生まれです。デビューは早く、中学三年生の15歳の時に出された描き下ろし単行本『地球危うし!』でした。
そして名古屋から上京し、月刊誌『冒険王』などに連載を持つ、人気マンガ家となりました。
1964年(昭和39年)には、白土三平さん原作『風のフジ丸』のマンガ版を執筆されています。当時のアニメーターには白土さんの絵を再現するのが難しく、子どもに馴染みやすい絵柄として、久松さんが指名されたそうです。
久松作品のアニメといえば、誰もが思い浮かべるのが1965年(昭和40年)にTBS系で放映された『スーパージェッター』でしょう。
未来からやってきたタイムパトロールのジェッターは、爽やかで魅力的な少年でした。また、テレビアニメ『冒険ガボテン島』の子どもたちも、忘れられません。
久松さんが描き出すキャラクターは、いつも明るく理知的で気品がありました。チャーミングでセンスのいい絵柄には暗い陰も感じられず、まさに当時の少年マンガに求められた明朗快活な主人公像でした。
以前、『スーパージェッター』や『冒険ガボテン島』の頃は連載で忙しかったのに、しょっちゅうTCJ(現エイケン)のスタジオに通っていたとおっしゃっていました。スタジオでは、アップなどアニメの原画も頼まれて描いていたそうです。
久松さんは、プロデビューも早く学生時代の仲間もいません。ですから、若いアニメーターがたくさんいたスタジオは、同世代と交流できる楽しい場所だったのかもしれません。
その後『帰ってきたウルトラマン』や、『ウルトラマンA』、そして『UFO戦士ダイアポロン』、『恐竜探検隊ボーンフリー』、『ヤッターマン』など、様々なテレビ作品のコミカライズも手掛けらています。そのソフトな絵柄で、各編集部にも定評があったのでしょう。
80年代以降は、『史記』や『諸葛孔明』、『春日局』、『古事記』など、歴史を題材にした青年向け作品も多数手掛けられました。
私は、1968年『なかよし』連載の『冒険少女ミス・ワンダー』も好きな作品でした。何かの機会にそのことをお話すると、何年か経って突然、カラーイラストをお送りいただいたことがあります。単に好きだと話したことをちゃんと覚えていて、わざわざ描きおろしてくださった優しさは、忘れられません。
そんなお人柄の方だったからこそ、作品からも優しい雰囲気が伝わってきたのでしょう。
これまで思い出に残る数々の素敵な作品を描いてくださった久松文雄さんに、感謝いたします。

久松文雄さんのイラスト『スーパージェッター』
折にふれ、「描くついでがあったから」と、お送りいただいていました。