『魔境伝説アクロバンチ』と自社スタジオの立ち上げ その3
- 2021/05/04
- 06:30
先行していた『銀河旋風ブライガー』制作中に、新たに日本テレビ系で放映が決まった『魔境伝説アクロバンチ』。
蘭堂ファミリーが、古代から存在するといわれる謎の秘宝クワスチカを追い求め、世界の遺跡や伝説の地を巨大ロボットで訪れるという、異色の物語です。
大本となるストーリーとアイデアは、シリーズ構成の山本優さんが立ち上げたものです。
総監督としては、『ブライガー』チーフディレクターの四辻たかおさんが指名されます。
夏木よしのりというペンネームになったのは、『ブライガー』を放映中ですし、同時期に始まった『おちゃめ神物語コロコロポロン』など、作品が重なったこともあったと思います。
『アクロバンチ』には、四辻さんの下にチーフディレクターとして前半は康村正一さん、後半は久岡敬史さんが立てられました。それでも当初は、同時に3作品を動かすことになったのですから、四辻さんは大変なご苦労だったことでしょう。
メインメカとなるロボットのデザインも、『ブライガー』で実績のあった樋口雄一さんでした。
そして主題歌は『ブライガー』同様に、山本正之さんが作曲されました。オープニングの『夢の狩人』は、今も心に残る名曲です。
こうして、『銀河旋風ブライガー』の中核を担ったスタッフが、『アクロバンチ』でも中心となります。
オープニングも『ブライガー』のキャラクターが躍動するダイナミックなオープングの作画で大きな話題を呼んだ、金田伊功さんに依頼します。
しかも今度は、金田さんは絵コンテから作画までを担当されました。
『ブライガー』のヒットした要因をベースにして、いのまたむつみさんと影山楙倫さんのキャラクターによる新しい風を吹き入れた企画、それこそが『魔境伝説アクロバンチ』でした。
国際映画社としては「J9シリーズ」とともに、もう一本新たな巨大ロボットものをキー局で始めることによって、経営的にもより安定した基盤を築くことが出来るとも考えたでしょう。
ですが、『アクロバンチ』では、これまでの制作体制とは大きく違ったこともあります。この時期、独自に自社スタジオを立ち上げることになったのです。
次々に企画が決まることで、この時期国際映画社の作品は増えていました。制作を東映動画に発注しつつも制作の母体となる自社スタジオの必要性は、同社の懸案にもなっていました。
そこで同時にスタートする『コロコロポロン』は自社制作を目指し、制作本部として小金井市前原町に開設を用意していたのです。(つづく)

『魔境伝説アクロバンチ』オープニング動画コピー
元々、オートバイが合体変型する発想自体は、
同時期の『バクシンガー』と同じでした。
同じアイデアを元にして、2作品が生まれたことになります。
蘭堂ファミリーが、古代から存在するといわれる謎の秘宝クワスチカを追い求め、世界の遺跡や伝説の地を巨大ロボットで訪れるという、異色の物語です。
大本となるストーリーとアイデアは、シリーズ構成の山本優さんが立ち上げたものです。
総監督としては、『ブライガー』チーフディレクターの四辻たかおさんが指名されます。
夏木よしのりというペンネームになったのは、『ブライガー』を放映中ですし、同時期に始まった『おちゃめ神物語コロコロポロン』など、作品が重なったこともあったと思います。
『アクロバンチ』には、四辻さんの下にチーフディレクターとして前半は康村正一さん、後半は久岡敬史さんが立てられました。それでも当初は、同時に3作品を動かすことになったのですから、四辻さんは大変なご苦労だったことでしょう。
メインメカとなるロボットのデザインも、『ブライガー』で実績のあった樋口雄一さんでした。
そして主題歌は『ブライガー』同様に、山本正之さんが作曲されました。オープニングの『夢の狩人』は、今も心に残る名曲です。
こうして、『銀河旋風ブライガー』の中核を担ったスタッフが、『アクロバンチ』でも中心となります。
オープニングも『ブライガー』のキャラクターが躍動するダイナミックなオープングの作画で大きな話題を呼んだ、金田伊功さんに依頼します。
しかも今度は、金田さんは絵コンテから作画までを担当されました。
『ブライガー』のヒットした要因をベースにして、いのまたむつみさんと影山楙倫さんのキャラクターによる新しい風を吹き入れた企画、それこそが『魔境伝説アクロバンチ』でした。
国際映画社としては「J9シリーズ」とともに、もう一本新たな巨大ロボットものをキー局で始めることによって、経営的にもより安定した基盤を築くことが出来るとも考えたでしょう。
ですが、『アクロバンチ』では、これまでの制作体制とは大きく違ったこともあります。この時期、独自に自社スタジオを立ち上げることになったのです。
次々に企画が決まることで、この時期国際映画社の作品は増えていました。制作を東映動画に発注しつつも制作の母体となる自社スタジオの必要性は、同社の懸案にもなっていました。
そこで同時にスタートする『コロコロポロン』は自社制作を目指し、制作本部として小金井市前原町に開設を用意していたのです。(つづく)

『魔境伝説アクロバンチ』オープニング動画コピー
元々、オートバイが合体変型する発想自体は、
同時期の『バクシンガー』と同じでした。
同じアイデアを元にして、2作品が生まれたことになります。
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:国際映画社
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