『魔境伝説アクロバンチ』と自社スタジオの立ち上げ その5
- 2021/05/09
- 06:30
国際映画社では、1982年(昭和57年)5月5日、日本テレビ系で『魔境伝説アクロバンチ』、3日後の5月8日フジテレビ系で『おちゃめ神物語コロコロポロン』の2作品がスタートしました。
先行していた『銀河旋風ブライガー』と違い、両作品とも設立したばかりのスタジオでの自社制作ですから、現場もかなり混乱を極めていたようです。
当時耳にした話では、『アクロバンチ』は1話の放映日にも、翌週の2話の動画作業がまだ終っていなかったそうです。
シリーズの途中で何度か野球中継が入ったことはファンには不評でしたが、最初からスケジュールが逼迫していた中では、現場にとって助かったことなのかもしれません。
それでも、いのまたさんが作画監督に参加された回などは見ごたえがありましたが、それ以外は海外発注が多く作画のバラツキが結構ありました。チャーミングないのまたさんのキャラが生かされているとは、決して思えない回もあったのです。
オープニングも当初から『アニメージュ』で絵コンテなども紹介され、ファンもかなり期待していました。ですが、第一話はシロウト目にも未完成のフィルムで、回を重ねるごとに完成に近づいていくという、当時としてはありえない前代未聞の事態となりました。
後の『亜空大作戦スラングル』もそうでしたが、「国際映画社のオープニングは進化するものだ」と、この頃のファンは幾分自嘲気味に話していたものです。
また、当時新進気鋭の方が演出・作画監督を担当された回がありました。アニメ雑誌では大きく取り上げられ、ファンの間では話題になりました。
確かにアクション作画など、シャープで格好良いものでした。ただ、アップが多用される演出やゲストの女性キャラのデザインには痛ましさを感じるなど、個人的にはあまりピンときませんでした。
『アクロバンチ』は視聴率的にも苦戦し、テレビ局側の評価も厳しかったのか、番組の時間帯も3回移行します。
キャラクターデザインは魅力的でしたし、地球各地の古代文明をテーマにしたストーリーなど意気込みも感じられましたが、もうちょっとうまく生かせたらと残念にも感じていました。(つづく)

『魔境伝説アクロバンチ』オープニング セルコピー
先行していた『銀河旋風ブライガー』と違い、両作品とも設立したばかりのスタジオでの自社制作ですから、現場もかなり混乱を極めていたようです。
当時耳にした話では、『アクロバンチ』は1話の放映日にも、翌週の2話の動画作業がまだ終っていなかったそうです。
シリーズの途中で何度か野球中継が入ったことはファンには不評でしたが、最初からスケジュールが逼迫していた中では、現場にとって助かったことなのかもしれません。
それでも、いのまたさんが作画監督に参加された回などは見ごたえがありましたが、それ以外は海外発注が多く作画のバラツキが結構ありました。チャーミングないのまたさんのキャラが生かされているとは、決して思えない回もあったのです。
オープニングも当初から『アニメージュ』で絵コンテなども紹介され、ファンもかなり期待していました。ですが、第一話はシロウト目にも未完成のフィルムで、回を重ねるごとに完成に近づいていくという、当時としてはありえない前代未聞の事態となりました。
後の『亜空大作戦スラングル』もそうでしたが、「国際映画社のオープニングは進化するものだ」と、この頃のファンは幾分自嘲気味に話していたものです。
また、当時新進気鋭の方が演出・作画監督を担当された回がありました。アニメ雑誌では大きく取り上げられ、ファンの間では話題になりました。
確かにアクション作画など、シャープで格好良いものでした。ただ、アップが多用される演出やゲストの女性キャラのデザインには痛ましさを感じるなど、個人的にはあまりピンときませんでした。
『アクロバンチ』は視聴率的にも苦戦し、テレビ局側の評価も厳しかったのか、番組の時間帯も3回移行します。
キャラクターデザインは魅力的でしたし、地球各地の古代文明をテーマにしたストーリーなど意気込みも感じられましたが、もうちょっとうまく生かせたらと残念にも感じていました。(つづく)

『魔境伝説アクロバンチ』オープニング セルコピー
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