『魔境伝説アクロバンチ』と自社スタジオの立ち上げ その7
- 2021/05/23
- 06:30
『魔境伝説アクロバンチ』は24話で最終回を迎えましたが、同時期にスタートした『おちゃめ神物語コロコロポロン』は46話まで続きました。
フジテレビの同枠では、続いて吾妻ひでおさん原作の第2弾として『ななこSOS』も決まっていました。
その後、国際映画社では、フジテレビ系の『ななこSOS』、テレビ朝日系では『亜空大作戦スラングル』、テレビ東京では、“J9シリーズ”第3作となる『銀河疾風サスライガー』などを次々に制作していきます。
この時期にスタジオ機能を拡張した制作本部には、様々なスタッフが出入りすることになりました。そこにはそれぞれの化学反応も起こったようで、以降の作品にも新風を吹き入れることにもなります。
“J9シリーズ”三作目となった『銀河疾風サスライガー』での斉藤格さんたちのゲストキャラ設定への参加や、『亜空大作戦スラングル』での高橋朝雄さんのアニメーションキャラクターやメカMICグループのメカデザイン。
ベテランである村田四郎さんの同社作品『スラングル』から『宗谷物語』、『ふたり鷹』への継続的な参加などもその影響です。
『ななこSOS』では、二宮常雄さんもキャラクターデザインと作画監督で参加されています。
いのまたむつみさんと影山楙倫さん擁するカナメプロも、この作品で東映動画と繋がりが出来たようです。
この後、1983年(昭和58年)3月から放映された『光速電神アルベガス』には、影山さんがキャラクターデザインで参加されました。また、1984年(昭和69年)10月からの『北斗の拳』でも、カナメプロが作画に入っています。『アクロバンチ』での実績が評価されたのでしょう。
確かに国際映画社としても自社スタジオの開設と同時に、いきなり2本の新作シリーズのスタートを迎えたことは大変な事態だったと思います。
ですが『アクロバンチ』スタート時における本格的な制作本部の立ち上げは、以降の国際映画社カラーを創り上げるうえでも、大きなターニングポイントになりました。
いのまたむつみさんと影山楙倫さんのキャラクター。そして山本優さんによる古代史ロマンが合体した、可能性を秘めた企画であった『魔境伝説アクロバンチ』。
今でも何故だか忘れられない、ふしぎな魅力の作品です。(了)

『魔境伝説アクロバンチ』原画
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