朝日新聞に小田部羊一さんの記事掲載
- 2021/07/07
- 06:30
先週の朝日新聞7月1日(木)夕刊に、小田部羊一さんの記事が出ていました。
「一語一会(いちごいちえ)」というコーナーで、登場される方のこれまでの人生で印象的だった言葉を紹介するコラムです。
そこで、宮崎駿さんの「俺はなんのためにやってるんだ」という言葉を明かしておられます。
小田部さんは東映動画のご出身で、『わんぱく王子の大蛇退治』や『太陽の王子ホルスの大冒険』など、数多くの長編作品に携わっておられました。
退社後も、『パンダコパンダ』や『 〃 雨降りサーカス』、『アルプスの少女ハイジ』、『母をたずねて三千里』など、高畑勲さん、宮崎駿さんたちとともに、数々の名作を作ってこられました。
特に『ハイジ』でのお仕事は、印象に残っています。キャラクターデザインはもちろん、高畑さんの演出、宮崎さんの画面設計とともに、一年間全52本の作画監督をお一人でこなされたのです。
現在のテレビアニメのように、原画作監、各話作監、総作監などなど、毎回四人以上の作画監督がいる時代とは違います。
毎週、お一人で原画マンから上がってくる300カット以上の原画をチェックし、一枚一枚丁寧に修正を入れておられたのです。キャラクターの違いや絵の崩れが起こらず、子ども心にもなにか違う作品だと思っていました。
作り溜めしていたのかとも思いましたが、放送と同時進行で制作されていたことを後に知りました。
放送前に作ってあった4本のストックもすぐに尽きてしまい、小田部さんたちはスタジオに泊り込みで作画作業に追われていたのです。
そんななか小田部さんも発熱し、ついにダウンしそうになります。そしてもう限界と話した際、宮崎さんから言われたのが「俺はなんのためにやっているんだ」という言葉だったのです。
続けて、小田部さんが、しっかりと作画に手を入れてくれているからこそ、自分もやっている。と話されたそうです。確かに宮崎さんも、毎週上がってきた絵コンテを300カット以上レイアウトに起こすのですから、大変な作業です。
それでも続けておられたのは、最終的に小田部さんが作画をしっかり監修してくれるという信頼感からだったのでしょう。
もちろん高畑さん、宮崎さん、小田部さんは、言うまでもなく素晴らしいスタッフです。
ですが、その方々が極限状態になっても作品作りに情熱を注いでくれていたからこそ、『アルプスの少女ハイジ』は名作になったということが、わかりまます。
プロフェッショナルたちの人間味溢れたエピソードと真摯な姿勢は、改めて心を打ちました。

朝日新聞2021年7月1日(木)夕刊
いい写真ですね。
「一語一会(いちごいちえ)」というコーナーで、登場される方のこれまでの人生で印象的だった言葉を紹介するコラムです。
そこで、宮崎駿さんの「俺はなんのためにやってるんだ」という言葉を明かしておられます。
小田部さんは東映動画のご出身で、『わんぱく王子の大蛇退治』や『太陽の王子ホルスの大冒険』など、数多くの長編作品に携わっておられました。
退社後も、『パンダコパンダ』や『 〃 雨降りサーカス』、『アルプスの少女ハイジ』、『母をたずねて三千里』など、高畑勲さん、宮崎駿さんたちとともに、数々の名作を作ってこられました。
特に『ハイジ』でのお仕事は、印象に残っています。キャラクターデザインはもちろん、高畑さんの演出、宮崎さんの画面設計とともに、一年間全52本の作画監督をお一人でこなされたのです。
現在のテレビアニメのように、原画作監、各話作監、総作監などなど、毎回四人以上の作画監督がいる時代とは違います。
毎週、お一人で原画マンから上がってくる300カット以上の原画をチェックし、一枚一枚丁寧に修正を入れておられたのです。キャラクターの違いや絵の崩れが起こらず、子ども心にもなにか違う作品だと思っていました。
作り溜めしていたのかとも思いましたが、放送と同時進行で制作されていたことを後に知りました。
放送前に作ってあった4本のストックもすぐに尽きてしまい、小田部さんたちはスタジオに泊り込みで作画作業に追われていたのです。
そんななか小田部さんも発熱し、ついにダウンしそうになります。そしてもう限界と話した際、宮崎さんから言われたのが「俺はなんのためにやっているんだ」という言葉だったのです。
続けて、小田部さんが、しっかりと作画に手を入れてくれているからこそ、自分もやっている。と話されたそうです。確かに宮崎さんも、毎週上がってきた絵コンテを300カット以上レイアウトに起こすのですから、大変な作業です。
それでも続けておられたのは、最終的に小田部さんが作画をしっかり監修してくれるという信頼感からだったのでしょう。
もちろん高畑さん、宮崎さん、小田部さんは、言うまでもなく素晴らしいスタッフです。
ですが、その方々が極限状態になっても作品作りに情熱を注いでくれていたからこそ、『アルプスの少女ハイジ』は名作になったということが、わかりまます。
プロフェッショナルたちの人間味溢れたエピソードと真摯な姿勢は、改めて心を打ちました。

朝日新聞2021年7月1日(木)夕刊
いい写真ですね。
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