貴重な初期Aプロダクションの証言
- 2021/07/23
- 06:30
鉄道写真家の南正時さんの新刊『昭和のアニメ奮闘記』(発行/天夢人 発売/山と渓谷社)が発売されました。
南さんは、蒸気機関車などをテーマにした写真家として有名ですが、小学五年生の時に出会う『白蛇伝』に魅せられました。そして若き頃よりアニメーションを自主制作し、ご近所にお住まいだった森卓也さんを訪ねたりと名古屋で精力的に活動されていました。
当時自主制作する若者は珍しく、新聞にも取り上げられます。そして、その記事を見た同好の士が南さんの元に集まり、1967年(昭和42年)日本初のアマチュアアニメサークル「東海アニメーションサークル(TAC)」が発足したのです。
この頃TACの上映会のため上京した、南さんは、杉本五郎さんの事務所やスタジオゼロ、そして東映動画などを訪れます。
東映動画では、『太陽の王子ホルスの冒険』を製作中で、初対面の大塚康生さんから描き上がったばかりの原画をパラパラと見せてもらい、森やすじさんからは自宅に招かれるのです。
その後、東映動画では会えなかった楠部大吉郎さんと手紙のやりとりを続ける中、新会社Aプロダクションへ誘われ制作として入社されます。
当時のAプロダクションは、『巨人の星』を制作中でした。カメラが得意な南さんは、キャラクターや美術の参考用に、多摩川クラウンドや各野球場に撮影に向かいます。
その頃のお仕事のひとつに、『巨人の星』第91話「栄光のピッチング沢村栄司物語」があります。
南さんが、沢村の故郷やお墓などを取材し、実際にそのフィルムも劇中に使われたのです。
やがて『ルパン三世』パイロットフィルム制作のため、大塚康生さんが移籍してきます。ですが、なかなか企画が通らず、『ムーミン』の制作に入りました。そして『ルパン三世』へと突入するのです。
大塚さんとの公私に渡る交流も、『ムーミン』の頃からだそうです。社内で趣味の蒸気機関車の写真を現像していると、大塚さんが楽しそうに見に来ます。そして翌日、蒸気機関車が描かれた分厚いスケッチブックを見せてくれたのです。
プライベートでは、車好きの多かったAプロメンバーとのドライブや、大塚さんの「多摩川ジープ水没事件」も起きました。
おおすみ正秋さんの降板劇にも立会われ、その後、デスクに貼った蒸気機関車の写真を見た『漫画アクション』の編集者から同誌への連載を誘われます。そして、本格的にカメラマンの道へ進まれることになったのです。
Aプロ在籍は三年だったそうですが、アニメ史に残る濃密な現場におられた南さんのお話は、とても興味深いエピソード揃いで一気に読ませていただきました。

南正時『昭和のアニメ奮闘記』

シンエイ動画『ドラえもん』のテレビスペシャル
「ヨーロッパ鉄道の旅」にも、南さんが携わっておられたとは
覚えていませんでした。
藤本さん、安孫子さんも海外ロケシーンに実写で登場される貴重なスペシャルです。
是非もう一度見てみたい作品です。
南さんは、蒸気機関車などをテーマにした写真家として有名ですが、小学五年生の時に出会う『白蛇伝』に魅せられました。そして若き頃よりアニメーションを自主制作し、ご近所にお住まいだった森卓也さんを訪ねたりと名古屋で精力的に活動されていました。
当時自主制作する若者は珍しく、新聞にも取り上げられます。そして、その記事を見た同好の士が南さんの元に集まり、1967年(昭和42年)日本初のアマチュアアニメサークル「東海アニメーションサークル(TAC)」が発足したのです。
この頃TACの上映会のため上京した、南さんは、杉本五郎さんの事務所やスタジオゼロ、そして東映動画などを訪れます。
東映動画では、『太陽の王子ホルスの冒険』を製作中で、初対面の大塚康生さんから描き上がったばかりの原画をパラパラと見せてもらい、森やすじさんからは自宅に招かれるのです。
その後、東映動画では会えなかった楠部大吉郎さんと手紙のやりとりを続ける中、新会社Aプロダクションへ誘われ制作として入社されます。
当時のAプロダクションは、『巨人の星』を制作中でした。カメラが得意な南さんは、キャラクターや美術の参考用に、多摩川クラウンドや各野球場に撮影に向かいます。
その頃のお仕事のひとつに、『巨人の星』第91話「栄光のピッチング沢村栄司物語」があります。
南さんが、沢村の故郷やお墓などを取材し、実際にそのフィルムも劇中に使われたのです。
やがて『ルパン三世』パイロットフィルム制作のため、大塚康生さんが移籍してきます。ですが、なかなか企画が通らず、『ムーミン』の制作に入りました。そして『ルパン三世』へと突入するのです。
大塚さんとの公私に渡る交流も、『ムーミン』の頃からだそうです。社内で趣味の蒸気機関車の写真を現像していると、大塚さんが楽しそうに見に来ます。そして翌日、蒸気機関車が描かれた分厚いスケッチブックを見せてくれたのです。
プライベートでは、車好きの多かったAプロメンバーとのドライブや、大塚さんの「多摩川ジープ水没事件」も起きました。
おおすみ正秋さんの降板劇にも立会われ、その後、デスクに貼った蒸気機関車の写真を見た『漫画アクション』の編集者から同誌への連載を誘われます。そして、本格的にカメラマンの道へ進まれることになったのです。
Aプロ在籍は三年だったそうですが、アニメ史に残る濃密な現場におられた南さんのお話は、とても興味深いエピソード揃いで一気に読ませていただきました。

南正時『昭和のアニメ奮闘記』

シンエイ動画『ドラえもん』のテレビスペシャル
「ヨーロッパ鉄道の旅」にも、南さんが携わっておられたとは
覚えていませんでした。
藤本さん、安孫子さんも海外ロケシーンに実写で登場される貴重なスペシャルです。
是非もう一度見てみたい作品です。