モノクロアニメのカラー化大作戦 その8
- 2021/08/01
- 06:30
1998年頃制作された『宇宙エース』のリメイク版は、1987年の『おらぁグズラだど』と同じ手法がとられました。
モノクロ版のフィルムを、まず紙にプリント出力していきます。そして、それを一枚一枚新たに描き起こすのです。
勿論そのための背景も、カラーで描き直します。大体一話で300枚から400枚くらいです。
そもそもフィルムから一枚一枚作画用紙サイズに出力するだけでも、かなりの手間になります。そして動画として描かれていた動きのある絵を3000枚から4000枚のプリントを元に、新たに線画を起こしていくのです。
このリメイク時には既にセルではなくデジタル彩色の時代になっていましたが、動画自体は一枚一枚プリントされた画面から起こしていきます。
当時の白黒フィルムからのプリントですから、出力の状態もそれほど良くはありません。色も潰れて描線もぼやけてしまったりで、あまり細部は再現できないのです。
なにより動画を固定するタップも、改めて出力したプリントに一枚一枚つけていかなければなりません。
背景も、すべて新しくカラーで描き直すことになります。しかもセルと組線がある場合など、その組みの部分も正確に描かないとキャラクターがはみ出したりしまいます。
単にプリントアウトを線画としてトレスするだけではなく、作画を統括する作画監督も新たに必要となるのです。
これらの手間を考えただけでも、気が遠くなる作業です。
幸いにも『グズラ』と違い、この頃はデジタル化が進んでいました。ですので、セル画は使用しない形でリメイクは進められました。
こうして音声だけは1966年(昭和41年)の放映当時のまま、新しくカラーになった『宇宙エース』「タイムマシン作戦」が制作されました。(つづく)

リメイク版『宇宙エース』原動画
プリントアウト原版とそこから起こされた動画です。
モノクロ版のフィルムを、まず紙にプリント出力していきます。そして、それを一枚一枚新たに描き起こすのです。
勿論そのための背景も、カラーで描き直します。大体一話で300枚から400枚くらいです。
そもそもフィルムから一枚一枚作画用紙サイズに出力するだけでも、かなりの手間になります。そして動画として描かれていた動きのある絵を3000枚から4000枚のプリントを元に、新たに線画を起こしていくのです。
このリメイク時には既にセルではなくデジタル彩色の時代になっていましたが、動画自体は一枚一枚プリントされた画面から起こしていきます。
当時の白黒フィルムからのプリントですから、出力の状態もそれほど良くはありません。色も潰れて描線もぼやけてしまったりで、あまり細部は再現できないのです。
なにより動画を固定するタップも、改めて出力したプリントに一枚一枚つけていかなければなりません。
背景も、すべて新しくカラーで描き直すことになります。しかもセルと組線がある場合など、その組みの部分も正確に描かないとキャラクターがはみ出したりしまいます。
単にプリントアウトを線画としてトレスするだけではなく、作画を統括する作画監督も新たに必要となるのです。
これらの手間を考えただけでも、気が遠くなる作業です。
幸いにも『グズラ』と違い、この頃はデジタル化が進んでいました。ですので、セル画は使用しない形でリメイクは進められました。
こうして音声だけは1966年(昭和41年)の放映当時のまま、新しくカラーになった『宇宙エース』「タイムマシン作戦」が制作されました。(つづく)

リメイク版『宇宙エース』原動画
プリントアウト原版とそこから起こされた動画です。
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