モノクロアニメのカラー化大作戦 その10
- 2021/08/15
- 06:30
1990年代後半、カラーリメイク企画が進んでいた『宇宙エース』。
残念ながら放映が決定しなかったため、第41話「タイムマシン作戦」の1話分だけでリメイクは頓挫しました。
タツノコプロでは、この時期にもう一作品のリメイクが進められていました。
それは1968年(昭和43年)に放映された、『ドカチン』です。
原始時代からひょんなことで現代にタイムスリップしてしまった、ドカチン一家が巻き起こすドタバタを描く作品でした。
3000年前の原始時代に、たくましく生きていたドカチンとその家族。ところが、ある日ドカチン一家の暮らしていた地域が、まるまる現代社会へとタイムワープしてしまいます。
これは、ノーテン・バンク博士が研究していた、一部の空間をそのまま別の時代にタイムワープさせるという“タイムゾーンマシン”という機械の実験中に起きた事故によるアクシデントでした。
ノーテン・バンク博士の研究所一帯に突如として出現した、草木が生い茂る原始地帯。
異変に気づいて原始の森に向かったケイコちゃんとキザ夫は、そこで原始時代からやってきたドカチンと出会います。
このドカチンは、怪力の持ち主で動物とも話が出来るいう不思議な少年でした。
また、ドカチンの父であるトトト、母親カカカ、おばあちゃんのバババ、妹のペケ、弟のパクちゃん、そして恐竜までも出てくるのです。
ドカチンはケイ子ちゃんと仲良くなります。そして、彼らが学校や近隣などの現代社会の日常で様々なドタバタを巻き起こしていくという、楽しいギャグ作品でした。
特筆すべきは、実写で撮影されたミニチュアの火山が爆発するオープニングです。
手描きよりも手間も予算もかかりますが、当時は、スタッフが様々な実験を行うことを吉田竜夫さんも大いに奨励していました。
ドカチン役の中村メイコさんによる歌もあいまって、生き生きとしたオープニングになっていました。さながら『ウエストサイドストーリー』のように、大都会で歌い踊るドカチン一家の姿も、毎週楽しみでした。
総監督は笹川ひろしさん、キャラクターデザインは吉田竜夫さんと、『おらぁグズラだど』に続く、タツノコプロのギャグ路線第2弾となった作品でした。(つづく)

『ドカチン』動画 5話Aパートより
ドカチン一家勢揃いです。
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