1981年(昭和56年)9月3日、テレビ東京系で『
まんが水戸黄門』の放映がスタートしました。
『
まんが水戸黄門』は、ナックの製作です。79年10月から80年4月まで放映された『まんが猿飛佐助』に続く、同社の講談を素材にした作品の第2弾となりました。
題材となったのは、当時ロングラン放映中だったTBSのドラマ『水戸黄門』です。1969年(昭和44年)から1983年まで黄門さまを演じられていた東野英治郎さん版が、キャラクターデザインのベースになっていました。
そこに、アニメならではの設定も盛り込まれます。まず黄門さまご一行と旅する子どもとして、捨丸がレギュラーとなります。そして捨丸と話すことが出来るという、イヌの鈍兵衛が登場するのです。
助さんは、剣の名手として「隆盛十文字斬り」の使い手です。格さんは、無類の怪力の持ち主ですが、黄門さまから「力だすき」を受け取ると百人力となり、その剛腕でならず者たちを制するのです。
また敵役には、悪代官や領主だけでなく、おどろおどろしい魔物や鬼なども出てきます。
これらは、ドラマと異なりアニメのメイン視聴者となる子ども世代層に向け、勧善懲悪を分かりやすく見せるためでもあったでしょう。
脚本構成は、『まんが猿飛佐助』と同じ伊東恒久さんです。チーフディレクターも、同作に演出で参加していた岡迫和之さんでした。
同じ時代物でしたが、『まんが猿飛佐助』と一番違うのはキャラクターデザインでしょう。
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まんが水戸黄門』では、『マジンガーZ』や『グレートマジンガー』などで濃い劇画調キャラクターの作画を手掛けておられた
森下圭介さんが担当されたのです。
最初、キャラクターが発表された時は、助さんがまるで『グレートマジンガー』の途中でデザイン変更された時の剣鉄也そっくりで話題になりました。
当初キャラクターデザインは、『まんが猿飛佐助』の
岡迫亘弘さんに依頼されたようです。岡迫さんは東映動画出身で、初代『宇宙戦艦ヤマト』や『正義を愛する人 月光仮面』など、数々の人気作品のキャラクターデザインを手掛けておられます。ナックでも『スーキャット』のデザインも担当されており、その優しく親しみやすい絵柄には定評がありました。
ですが局かスポンサー側の意向もあったのか、最終的にはあの劇画調になったようです。
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まんが水戸黄門』は、翌1982年7月まで続きました。
子どもたちにも、わかりやすい勧善懲悪の世界が受け入れられたのでしょう。いまや、正統派の時代劇はドラマもなかなか見ることが出来ない時代となっています。
このような時代ものアニメが毎週放映されていた頃を、懐かしく思い出します。
DVDアニメの王国版『まんが水戸黄門』1・2
1990年代にいきなり発売されました。
結局2枚だけでしたが各2話づつ収録され、
4話までは見ることができました。
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