モノクロアニメのカラー化大作戦 その14
- 2021/09/19
- 06:30
『ドカチン』は1968年(昭和43年)の初回放映から30年を経て、1990年代にカラーリメイクされました。
この時期は、業界的にデジタル彩色へと移行していた頃です。デジタル撮影となっていたためセルは使用されていません。
当時は、タツノコプロ社内には作画スタッフが揃っていない時期でした。ですので、作画は外注されていました。こちらの作画の主な作業は『宇宙エース』と違い、韓国に発注されていたようです。
各話作監を国内で立てたうえで、以降の作画が海外だったのかもしれません。
カラーリメイクのためには作画だけでなく、背景も新たに描き下ろさなければなりません。
以前まだ稼働中だったスタジオを訪れた際、『とんでも戦士ムテキング』や『炎のアルペンローゼ』、『赤い光弾ジリオン』などの美術監督を歴任された多田喜久子さんが背景を修正する作業中にお会いしたこともあります。カラー版『ドカチン』でも、美術監督のお立場でした。
『ドカチン』のカラーリメイク版は、最終的には全話行われたようです。『おらぁグズラだど』や『宇宙エース』のパイロットと同様、音声はそのままでフィルムはカラーとなっています。
放映当時に駄菓子屋で売っていた5円ブロマイドの『ドカチン』はカラーでした。ですので、カラー画像のドカチンにも馴染みがある人も多いはずです。
記憶の中のテレビ画面の『ドカチン』はモノクロでしたが、カラーとなって活躍するドカチンたちの姿も、機会があれば見てみたいものです。
1980年代以降のタツノコプロは、『おらぁグズラだど』から始まり『宇宙エース』のパイロット、そして『ドカチン』と、手作業でのカラーリメイクを手掛けていました。この時期新作が決まらないという、苦しい事情も関係していたかもしれません。
今や体制が変わり、実際に携わっていたスタッフは同社には残っていないようです。
今後はデジタル技術の発達によりモノクロフィルムのカラー化は、もっとたやすく出来ることになるでしょう。
そうなると、このようなアナログ作業でカラー化をするやり方も、過去のものとなります。
ただ、完全にゼロから作り出すリメイクだけでなく、このようにアナログで描き直されたカラーリメイク版もどことなく手作りの味わいが感じられるものなのかもしれません。(了)

『ドカチン』動画
プリントアウト原紙と描き起こされた動画です。
この時期は、業界的にデジタル彩色へと移行していた頃です。デジタル撮影となっていたためセルは使用されていません。
当時は、タツノコプロ社内には作画スタッフが揃っていない時期でした。ですので、作画は外注されていました。こちらの作画の主な作業は『宇宙エース』と違い、韓国に発注されていたようです。
各話作監を国内で立てたうえで、以降の作画が海外だったのかもしれません。
カラーリメイクのためには作画だけでなく、背景も新たに描き下ろさなければなりません。
以前まだ稼働中だったスタジオを訪れた際、『とんでも戦士ムテキング』や『炎のアルペンローゼ』、『赤い光弾ジリオン』などの美術監督を歴任された多田喜久子さんが背景を修正する作業中にお会いしたこともあります。カラー版『ドカチン』でも、美術監督のお立場でした。
『ドカチン』のカラーリメイク版は、最終的には全話行われたようです。『おらぁグズラだど』や『宇宙エース』のパイロットと同様、音声はそのままでフィルムはカラーとなっています。
放映当時に駄菓子屋で売っていた5円ブロマイドの『ドカチン』はカラーでした。ですので、カラー画像のドカチンにも馴染みがある人も多いはずです。
記憶の中のテレビ画面の『ドカチン』はモノクロでしたが、カラーとなって活躍するドカチンたちの姿も、機会があれば見てみたいものです。
1980年代以降のタツノコプロは、『おらぁグズラだど』から始まり『宇宙エース』のパイロット、そして『ドカチン』と、手作業でのカラーリメイクを手掛けていました。この時期新作が決まらないという、苦しい事情も関係していたかもしれません。
今や体制が変わり、実際に携わっていたスタッフは同社には残っていないようです。
今後はデジタル技術の発達によりモノクロフィルムのカラー化は、もっとたやすく出来ることになるでしょう。
そうなると、このようなアナログ作業でカラー化をするやり方も、過去のものとなります。
ただ、完全にゼロから作り出すリメイクだけでなく、このようにアナログで描き直されたカラーリメイク版もどことなく手作りの味わいが感じられるものなのかもしれません。(了)

『ドカチン』動画
プリントアウト原紙と描き起こされた動画です。
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