辻真先さんの最新刊『辻真先のテレビアニメ道』
- 2021/10/20
- 06:30
『辻真先のテレビアニメ道』(立東舎刊)を読みました。
『迷犬ルパンの名推理』や『あじあ号、吼えろ!』など、数々の小説を発表しておられる辻真先さんは、古くからのアニメファンには数多くのアニメ作品を執筆された脚本家としてもおなじみです。
『鉄腕アトム』(原作/手塚治虫)、『エイトマン』(原作/平井和正 画/桑田次郎)から、『サザエさん』(原作/長谷川町子)、『巨人の星』(原作/梶原一騎 画/川崎のぼる)、『タイガーマスク』(原作/梶原一騎 画/辻なおき)、『デビルマン』(原作/永井豪)、『超電磁ロボ コン-バトラーV』、そして『巨神ゴーグ』など誰もが知るアニメのシナリオを執筆されたのです。
その辻さんが来年80歳を迎える前に上梓されたのが、『辻真先のテレビアニメ道』です。
作家に転身後もテレビアニメは視聴され続け、折に触れ小説以外でもアニメについての著書を発表してこられました。1996年は『TVアニメ青春期』(実業之日本社)。2009年には『「鉄腕アトム」から「電脳コイル」まで アニメとは何か』(松籟社)と、単なる回顧録だけでなく自分が接してきたアニメとそれぞれの時代、オンタイムの作品についても紹介してこられました。常に俯瞰から考察される視点をお持ちなのは、NHKのテレビマンとして白黒時代に番組制作に携わってこられたことも大きいでしょう。
しかも元々小説やマンガ好きで、小さい頃からマンガに接してこられたのです。テレビアニメ初期から、どれだけ辻さんのような理解者が頼りないなる存在であったか知れません。
今回の新刊は、辻さんが第一話の脚本を担当した作品がメインです。原作80ページ分のボリュームを一話に詰め込んで見せてくれた『ジャングル大帝』。妖怪と小学生たちの野球というおどろおどろしくも楽しい第一話となった『ゲゲゲの鬼太郎』(水木しげる)。古典SF名作のアニメ化『キャプテンフューチャー』(エドモンド・ハミルトン)などなどの執筆裏話を明かしてくれています。
また「アニメこぼれ話 あふれ話」では、携わった作品について触れていらっしゃいます。『冒険少年シャダー』の制作会社についてや、『おじゃまんが山田くん』で味わった理不尽なクレーム。『巨人の星』でのあの投球までの時間描写。ヨーロッパロケに出向けなかった『ドラえもん』のスペシャルなどなど、どれも興味深い話ばかりです。
少し欲を言わせていただければ、『ハニーハニーのすてきな冒険』は何故原作発表からかなり時間が経ってのアニメ化だったのか。『サザエさん』の松本美樹プロヂューサーの降板にあわせて、どうして辻さんたちも一緒に降板されたのか。
『ガンバの冒険』が、先に東映動画で企画されていた話などなど、もっとお聞きしたい話もたくさんありました。
これは、また次の書籍でぜひ明かしていただけたらうれしいです。

『辻真先のテレビアニメ道』(立東舎)
表紙は、辻さん秘蔵の手塚治虫さんによる『鉄腕アトム』の絵コンテです
『迷犬ルパンの名推理』や『あじあ号、吼えろ!』など、数々の小説を発表しておられる辻真先さんは、古くからのアニメファンには数多くのアニメ作品を執筆された脚本家としてもおなじみです。
『鉄腕アトム』(原作/手塚治虫)、『エイトマン』(原作/平井和正 画/桑田次郎)から、『サザエさん』(原作/長谷川町子)、『巨人の星』(原作/梶原一騎 画/川崎のぼる)、『タイガーマスク』(原作/梶原一騎 画/辻なおき)、『デビルマン』(原作/永井豪)、『超電磁ロボ コン-バトラーV』、そして『巨神ゴーグ』など誰もが知るアニメのシナリオを執筆されたのです。
その辻さんが来年80歳を迎える前に上梓されたのが、『辻真先のテレビアニメ道』です。
作家に転身後もテレビアニメは視聴され続け、折に触れ小説以外でもアニメについての著書を発表してこられました。1996年は『TVアニメ青春期』(実業之日本社)。2009年には『「鉄腕アトム」から「電脳コイル」まで アニメとは何か』(松籟社)と、単なる回顧録だけでなく自分が接してきたアニメとそれぞれの時代、オンタイムの作品についても紹介してこられました。常に俯瞰から考察される視点をお持ちなのは、NHKのテレビマンとして白黒時代に番組制作に携わってこられたことも大きいでしょう。
しかも元々小説やマンガ好きで、小さい頃からマンガに接してこられたのです。テレビアニメ初期から、どれだけ辻さんのような理解者が頼りないなる存在であったか知れません。
今回の新刊は、辻さんが第一話の脚本を担当した作品がメインです。原作80ページ分のボリュームを一話に詰め込んで見せてくれた『ジャングル大帝』。妖怪と小学生たちの野球というおどろおどろしくも楽しい第一話となった『ゲゲゲの鬼太郎』(水木しげる)。古典SF名作のアニメ化『キャプテンフューチャー』(エドモンド・ハミルトン)などなどの執筆裏話を明かしてくれています。
また「アニメこぼれ話 あふれ話」では、携わった作品について触れていらっしゃいます。『冒険少年シャダー』の制作会社についてや、『おじゃまんが山田くん』で味わった理不尽なクレーム。『巨人の星』でのあの投球までの時間描写。ヨーロッパロケに出向けなかった『ドラえもん』のスペシャルなどなど、どれも興味深い話ばかりです。
少し欲を言わせていただければ、『ハニーハニーのすてきな冒険』は何故原作発表からかなり時間が経ってのアニメ化だったのか。『サザエさん』の松本美樹プロヂューサーの降板にあわせて、どうして辻さんたちも一緒に降板されたのか。
『ガンバの冒険』が、先に東映動画で企画されていた話などなど、もっとお聞きしたい話もたくさんありました。
これは、また次の書籍でぜひ明かしていただけたらうれしいです。

『辻真先のテレビアニメ道』(立東舎)
表紙は、辻さん秘蔵の手塚治虫さんによる『鉄腕アトム』の絵コンテです
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