1977年の出版ラッシュ③
- 2015/03/01
- 08:42
■『テレビランド増刊 ロマンアルバム 宇宙戦艦ヤマト』
1977年当時中学生だった私は、毎日学校帰りに面白いマンガ本や文庫本など探しに近所の書店に寄るのが日課でした。
そんな夏休みのある日、子供雑誌のコーナーに置かれたA4判の『テレビランド増刊 ロマンアルバム 宇宙戦艦ヤマト』(徳間書店刊)を見つけました。
マンガ雑誌はB5判が主流でしたし『テレビマガジン』や『テレビランド』はAB判でしたので、それより大きなA4判のムックは店頭でも目立っていました。
『ヤマト』は本放送は見逃していましたが再放送で魅了され、劇場版が公開されると映画館にも観に行きました。そんな好きな作品の特集ムックを見つけたのです。しかもお子様向けではない、作品のファンに向けたアニメ自体を特集した画期的な構成でした。残念ながらその日は手持ちの所持金が足らず諦めて帰り、翌日売り切れてないことを祈りながら走って買いに行きました。
設定資料や放映リストなど、それまで入手できなかった情報が満載の内容で、大満足でした。印刷物とはいえメカニック設定や、キャラクター表などの制作資料を見ることができて、とても嬉しかったことを思い出します。
巻頭にカラーページもありましたが、残念ながらどれもこの本のための描きおろしでした。実際に参加していたアニメーターが描いたものではなかったため絵のタッチも違い、それだったらフィルム画面をきれいに印刷してくれたらよかったのに、と子供心に思いました。
編集者からすれば、せっかく新規に制作した描きおろしのカラーグラビアより後半の二色や、モノクロページの方が良いなんて困った読者だったと思います。ただ当時は、アニメの絵自体を渇望していましたし本編のフィルムが第一でしたので、実際の画面と絵が違うといくらカラーページでも正直あまりうれしいとは感じなかったのです。
『宇宙戦艦ヤマト』という作品で、初めてプロデューサーという役職を認識しました。映画版のパンフレットや、このロマンアルバムでもプロデュサーである西崎義展さんが大きく取り上げられ、コメントとともにその写真も紹介されていたのです。
この「ロマンアルバム」シリーズは、これ以降、読者やアニメファンの意見を積極的に取り入れて、巻を重ねる毎に内容も充実していきます。かつての名作やその時々の人気作品を取り上げてくれ、アニメファンには必読必携のムックになりました。
また『ロマンアルバム』シリーズの成功が、『アニメージュ』の創刊に繋がることになります。(つづく)

『テレビランド増刊 ロマンアルバム 宇宙戦艦ヤマト』(徳間書店刊)
当時買って何度も読んだので、表紙もボロボロになっています
1977年当時中学生だった私は、毎日学校帰りに面白いマンガ本や文庫本など探しに近所の書店に寄るのが日課でした。
そんな夏休みのある日、子供雑誌のコーナーに置かれたA4判の『テレビランド増刊 ロマンアルバム 宇宙戦艦ヤマト』(徳間書店刊)を見つけました。
マンガ雑誌はB5判が主流でしたし『テレビマガジン』や『テレビランド』はAB判でしたので、それより大きなA4判のムックは店頭でも目立っていました。
『ヤマト』は本放送は見逃していましたが再放送で魅了され、劇場版が公開されると映画館にも観に行きました。そんな好きな作品の特集ムックを見つけたのです。しかもお子様向けではない、作品のファンに向けたアニメ自体を特集した画期的な構成でした。残念ながらその日は手持ちの所持金が足らず諦めて帰り、翌日売り切れてないことを祈りながら走って買いに行きました。
設定資料や放映リストなど、それまで入手できなかった情報が満載の内容で、大満足でした。印刷物とはいえメカニック設定や、キャラクター表などの制作資料を見ることができて、とても嬉しかったことを思い出します。
巻頭にカラーページもありましたが、残念ながらどれもこの本のための描きおろしでした。実際に参加していたアニメーターが描いたものではなかったため絵のタッチも違い、それだったらフィルム画面をきれいに印刷してくれたらよかったのに、と子供心に思いました。
編集者からすれば、せっかく新規に制作した描きおろしのカラーグラビアより後半の二色や、モノクロページの方が良いなんて困った読者だったと思います。ただ当時は、アニメの絵自体を渇望していましたし本編のフィルムが第一でしたので、実際の画面と絵が違うといくらカラーページでも正直あまりうれしいとは感じなかったのです。
『宇宙戦艦ヤマト』という作品で、初めてプロデューサーという役職を認識しました。映画版のパンフレットや、このロマンアルバムでもプロデュサーである西崎義展さんが大きく取り上げられ、コメントとともにその写真も紹介されていたのです。
この「ロマンアルバム」シリーズは、これ以降、読者やアニメファンの意見を積極的に取り入れて、巻を重ねる毎に内容も充実していきます。かつての名作やその時々の人気作品を取り上げてくれ、アニメファンには必読必携のムックになりました。
また『ロマンアルバム』シリーズの成功が、『アニメージュ』の創刊に繋がることになります。(つづく)

『テレビランド増刊 ロマンアルバム 宇宙戦艦ヤマト』(徳間書店刊)
当時買って何度も読んだので、表紙もボロボロになっています
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:1977年の出版ラッシュ
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