『太陽の牙 ダグラム』祝 放映40周年
- 2021/11/03
- 06:30
1981年(昭和56年)10月23日、テレビ東京で『太陽の牙 ダグラム』が始まりました。
高橋良輔さんが手掛けられたリアルロボットものの第一作です。当時、『機動戦士ガンダム』に端を発した“ガンプラ・ブーム“が始まり、リアル系作品をスポンサー各社も模索していました。
そこで、アニメのように関節の動きを再現できる大河原邦男さんデザインによる『ダグラム』が日本サンライズで企画され、タカラがスポンサーとなったのです。
第一回目のプロローグでいきなり物語の後日譚として、砂漠に座り込み朽ち果てたダグラムが出てきたのには驚かされました。ただ、ここまでに至るまでの物語を描こうというスタッフの強い意思も感じました。
原作は、日本サンライズで『ゼロテスター』や『サイボーグ009』(原作/石森章太郎)などのチーフディレクターを歴任された高橋良輔さんと『機動戦士ガンダム』や『銀河漂流バイファム』などを執筆されてきた星山博之さんです。
監督は、良輔さんと神田武幸さん。キャラクターデザインは、アニメーター出身で演出家、そして脚本家としても活躍される吉川惣司さん。チーフ作画監督は塩山紀生さん、美術監督は中村光毅さん、音楽は冬木透さんと、力の入った編成でした。
物語は、惑星デロイアの独立戦争に地球連邦評議会議長の息子であるクリンが飛び込み、ダグラムを操りゲリラとして地球連邦の傀儡政府側と戦うというものです。
ゲリラ側デロイヤ7の少年たちと、連邦側の大人たちそれぞれにドラマがあり、地味ながらも目が離せない展開でした。
残念ながら、ヒロインであるデイジーの頬に描かれた線だけは、どうしても頬がこけた感じがして最後まで馴染むことができませんでした。それよりも、頼りになるキャナリーや薄幸の少女リタの方がまだ印象的でした。
アニメでは珍しく大人のキャラクターで常に落ち着いたサマリン博士や、政治家らしく清濁併せ持つクリンの父ドナン・カシム、冷徹なラコック、最後に意外な登場をすることになるデスタンなど、色々な面を持つ多様々な人々がストーリーに絡んでくるのも魅力です。
キャラクターやストーリーが地味だったことで、放映中もアニメ誌などではあまり取り上げられることはありませんでした。
ですが、タカラから発売されたデュアルモデル・シリーズは動きの再現率も高く、プラモデルも人気がありました。メカニックファンなどの支持もあり、全75話のロングシリーズとなりました。
今でも、それぞれの登場人物の魅力もあり、味わい深い作品として記憶しています。

『太陽の牙 ダグラム』セル
クリンとデイジーです
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